<前略>
2011年2月4日掲載の貴ホームページ記事「CAEシミュレーションノウハウ(勘所)を短期間で会得したい」を拝読してお問い合わせさせて頂きます。
弊社の状況も、この記事で問い合わせをされている製造業と似通った状況にあります。
ずいぶん前に道具はそろえて、積極的に教育を行いましたので、これらを自ら操作できる設計者が多くおります。しかし、それにも拘わらず、試作段階や製品出荷後のトラブルが多発して、開発費用やクレーム費用の削減が一向に進みません。
全てがCAEを適切に活用できないための不具合ではありませんが、門外漢の私から見ても、CAEを的確に使えていれば生じなかったであろうトラブルが、間違いなく4割を超えていると思います。
一方、本年の11月29日付け記事「CAE解析結果を的確に検証するためには?」で指摘されておられます、「CAE解析モデルの妥当性評価など、“メカエンジニアとしての冷静な目で、原理原則に立ち返り、モデル化条件を検証すれば、門外漢(CAE解析技術者以外の設計管理職の皆さん)でも、その誤りや勘違い若しくは嘘を、容易に見抜くことが出来ます”」の部分が、私共では全く出来ておらず、一概に設計者達を責めるわけにも参りません。
問題の糸口が分かったからには、早急に手を打つべく様々な手を使い、何か役に立つ情報がないかと探し回った結果、貴社のホームページに行き着いた次第で、弊社も貴社にご支援を仰ごうと思い立った次第です。
しかし、2011年2月4日付けで問い合わせされた製造業さんに、ご呈示されたと同様なご支援内容、3年とか5年を掛けて根気よく改善を図って行くアプローチでは、事の次第を知った弊社の経営層は、恐らく納得してくれないと思います。
そこでお尋ねしたいのですが、例えば貴社所長様に毎週弊社に来社頂き、“CAE相談室”を指導して頂くような方法で、可能な限り短期間で且つ最初から効果を出しながら、弊社の技術を高めて行く様な方法は取れませんでしょうか。
<後略>
幸い貴社の開発部隊所在地(貴社ホームページで調べる限り)は、弊社より車で一時間以内でアクセスできる位置ですので、毎週一回お邪魔させて頂き、ご支援を申し上げることは可能です。
但し他の業務との兼ね合いがありますので、週初めの月曜か週末の金曜を、年間単位でご予約頂くような運用方法で、ご依頼頂けることが前提になります。
実は、弊社開業当初より、月2回〜6回を前もって予約頂く形でのご支援方法が、弊社の最も多い支援形態ですので、弊社にとっては特に問題のないお申し入れと、考えます。
一方“CAE相談室”は、呼び名は様々ですが、これまで私が各所で展開してきたご支援方法の一つです。
一般的には、少し広めの会議室を確保頂き、その時点でホットな設計課題を順次持参頂き、CAE活用に限らず様々な視点から、フロントローディング設計を、最短で実現出来る方法を、ご指導申し上げる形態を取って参りました。
ともすればセレモニーに陥りがちなデザインレビューを、実質的な形でカバーする役割を果たしてきたケースが殆どで、それぞれの製造業における、フロントローディング設計態勢確立に、大きく寄与して参りました。
広めの会議室と申した理由は、参加者が当該製品の開発担当者達だけでなく、開発部門幹部他、商品企画部門や物作り部門の関係者にも参画して貰い、シミュレーション技術面からだけでなく、あらゆる面からの設計の妥当性評価を行うためです。
また担当設計チーム以外の設計者達にも、手が空く限り参集頂き、情報の共有化を行うと共に、積極的に対象設計内容に口出しをして貰い、三人寄れば文殊の知恵の効果を上げて参りました。
この様なやり方が貴社に必要か否かは、貴社の状況をしっかり把握しておらない現状では何とも言えませんが、このようなアプローチが、これまで最も成果を残せた方法です。
何れにしろ、まずは弊社の“現状診断”を受診戴いた上で、全体の計画を提案させてください。