<前略>
初めてお問い合わせさせていただきます。**株式会社で製品開発部署を担当する@@と申します。その昔、サイバーネットのユーザー会で先生のご講演を拝聴した記憶と、貴著書「CAEによる設計の改革術」を、拝読した経緯でお問い合わせをさせて頂きました。
さて弊社では、長年CAEを設計に活用しようと様々な模索を行って参りました。10数年前には、CAE推進者を指名して、設計者達に対するCAE教育を開始いたしました。またCAD業者が持ってきた設計者向けCAEにもいち早く取組み、今では30代以下の設計者なら、全員がその操作をできるレベルになっております。
しかし残念なことに、設計の質と言う面で見たときに、その効果ははかばかしくなく、先生がおっしゃるフロントローディング設計などは、ほど遠いと言うのが正直な現状です。何がうまくないのかを、私なりに追って見てはいるのですが、これと言って致命的な取組ミスに行き着きませんでした。
例えば、教育の初期段階から、理論的な理解も含め、決してCAEをブラックボックス化しているわけでもなく、また逆に大学の教育のような、アカデミズムにも陥っていないと思います。
また、設計作業の流れの中で、CAEを活用しなければならない段階は、開発ルールの中で厳格に定めてあり、設計者個々の判断や思い違いで、解析作業をネグレクトすることもできない仕組み作りを行ってあります。また開発進捗の各段階で行うDRでも、CAE解析結果の報告をさせ、多くの目でその誤りがないことを確認する態勢にもなっております。
しかしそれにもかかわらず、余りにも開発段階での不具合が多いこと、量産着手段階での滞りが多いこと、致命的な問題点を見逃したクレーム問題が多いことを受け、役員会の俎上に度々上がり、私の前任者は、このために詰め腹を切らされました。
一方、昨年から社外取締役で役員会に参加されている方から、「CAEシミュレーションノウハウ(勘所)がうまくつかめていないのではないか?」「私は門外漢だが、出身会社の技術系役員がよく「CAEは活用ノウハウ(勘所)が命で、他社と差別化できる自社の絶対的な強みだ」とよく言っていた」という話を披露され、役員全員が「@@どうなんだ!」と言う目で、私に無言の集中砲火が浴びせられることになってしまいました。
そしてその席で、外部から費用を掛けても良いから、緊急にCAEシミュレーションノウハウ(勘所)を入手せよと言う結論となり、このお問い合わせになった次第です。
つきましては、私どものニーズに対して先生のご支援が可能か否か、またその所用期間と御費用は如何ほどかをお知らせ頂けますと幸いです。詳しくは、近日中に先生の事務所にお邪魔させて頂き、これまでの経緯などをご説明した上で、確定的(見積もりレベルの)なお答えを頂くつもりですが、とりあえず役員会に対しての総枠的な報告ができる情報を頂きたく、宜しくお願い申し上げます。
<後略>
おわかりだとは思いますが、一朝一夕で設計に役立つシミュレーション技術の会得は、無理です。特に最近、韓国や中国のメーカから良くある、私の持っているノウハウを売ってくれ的な対応は、私のビジネスの信義上や“技術士法”上も致しかねます。
確かに現在の事務所を立上げてから間もなく20年、それ以前の10年も併せると30年を掛けて蓄積してきた、シミュレーション技術を設計に有効活用する様々なノウハウが、私にはございます。恐らくこの面かでは、思い上がりかも知れませんが、我が国での第一人者と自負しております。
しかも我が国を代表する様々な業種の製造業の皆さんと、一緒になって会得してきた技ですので、その幅の広さや実践性も他に追従を許さない質を供えていると思います。
しかしこれらの技は、私一人で会得した技ではありません。少なくともそのテーマの提起、実際の解析作業、設計への反映、検証実験などは、私の指導の下に行われたとはいえ、全て支援先の方々の手になる物です。要するに顧客に取って極めて貴重な、技術面での重要機密情報なのです。
ですから、座学やマニュアル、ノウハウ集などの手段で、一方的に私からその技を伝授することは、叶わないわけです。@@さんは、これらのポイントを、恐らく十分ご承知されていると思いますが、他の役員方(特に経営企画や経理系上がり)にご理解頂くために敢えて触れさせて頂きました。
一方私は、この20年来、CAEシミュレーション技術を、本当に生かして活用するための支援を、各所で行って参りました。究極の目標は、かねがね私が提唱している「フロントローディング設計」態勢の確立です。
貴社のように、10年来CAE技術の活用に取組んできたのだが、結果として巧く行っていないところから、殆ど初めての取組みまでその件数は、既に100件を超えました。そして私の指導に概ね従って頂けたところは、「フロントローディング設計」態勢の理想的な確立までは至らなくても、CAE活用技術(設計に役に立つ)という面では、その殆どが大きな成果を上げてくれております。
そしてその取組みに費やした期間ですが、全くの新規取組みの場合は、短くて3年、長くて5年と言うところですが、貴社のような、その途上で頓挫状態にあるところは、千差万別です。半年程度で画期的に改善できたところから、5年掛けてもはかばかしくないところまでばらついております。
貴社がどの程度の期間で、皆さんの目論見を物にできるかは、私が各所で実施している“現状診断”を受診頂いた上で判断をさせて頂きたいと思います。費用についても、私がお手伝いを申し上げる期間と頻度に連動して変わって参りますので、正確なところは“現状診断”受診以降と言うことになります。
また“設計に役立つCAE”と言う観点に立ったとき、その拙さが、CAE教育や展開方法、活用方法に起因する問題以外に、設計アプローチ方法、設計への取組み姿勢、チェック態勢、など製品開発に絡む様々な要素が、その原因になっている場合があります。ですからこのような側面も含め幅広く製品開発、商品開発、物づくりなどの全体から問題点を把握して行く必要がありますので、ご承知置き下さい。
とは言っても、@@さんが役員会に報告できるネタが全くないのでは、お立場もないと思いますので、あくまでも正確なところは、“現状診断”受診以降と明言して頂くことを条件に、お問い合わせ頂いたお答えを以下に列記致します。
ご質問内容 | 回答 | 備考 |
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貴社への私からの支援が可能か否か | 可能です | 上記致したよう、様々な実績がございます |
所用期間 | 半年〜2年 | 貴社の拙さ度合いによりこれ以上の期間が必要となることもございます |
支援段階 | 想定期間 | 金額 | 備考 |
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事前ご相談 | 1日 | 50万円(税・経費別) | “現状診断”をご依頼頂ける場合には、 本金額分は診断費用から値引き致します |
現状診断 | 3ヶ月 | 800万〜1,500万円(税・経費別) | |
ご支援 | 半年〜2年 | 1,500万円〜10,000万円(税・経費別) |