CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

フロントローディング設計が実現できるCAE活用術(その4)



(6月16日に戻る)

第1章 フロントローディング設計とCAE

フロントローディング設計(開発)導入で押さえるべき取組

一口にフロントローディング設計と言っても、その切り口は幾つもある。しかも開発の進捗段階により、そのアプローチは大きく変わってくる。

そしてその中で、設計思考展開(DPD)や統計手法などの各種手法、CAEや3次元CADの様な設計支援ツール、製品の品質や特性を確認する各種実験計測ツールなどを最大限且つ効果的に駆使して、それぞれのアプローチを成功させてゆく必要がある。

本稿ではこれらを、順を追って大まかに説明してゆくつもりだが、その大前提として、フロントローディング設計(開発)導入に際して、何を押さえて取り組めばよいのかを下記する。





  1. FS(フィジビリティースタディ)やこまめなDR(デザインレビュ)実施により、問題を前倒しで予見・予測して、手戻・モグラ叩きを根絶することにより、大幅な開発期間の短縮と、開発品質の向上を図ることが出来る設計態勢を確立する取組。
  2. 予測型の設計スタイルを確立し手戻・モグラ叩き、堂々巡りの根絶に結びつけるために、統計手法及び解析技術の適正導入をして、その活用強化で予測型設計を実現するとともに、予測型設計を行うにあたりその精度を左右する、機械各要素機能の原理・原則解明体系化するとともに、設計思考展開(DPD)手法を導入することにより、これらの取組が論理的且つ最大効率で施行できる態勢を確立する取組。
  3. 設計着手段階から量産出図までの各段階で、根拠ある定量的な価値基準による、先手を打った設計審査(DR、ミニDR)を実施して設計品質を高めるとともに、量産垂直立上が可能な設計品質に高め、さらに量産段階でコスト起因の手戻り、品質起因の手戻り、製造都合による手戻りなどを根絶して、しっかり稼げて、後手間(クレーム処理及び対策費)ゼロの商品開発態勢を実現する取組。


(7月7日に続く)