<前略>
弊社では、この20年来商品企画質向上に取り組んで参りました。
当初、余りにも売れない商品開発が続いたため、その原因は何処にあるかという取組が切っ掛けでした。
当時の具体的な状況としては、現場を歩いている営業マンが、「こんな製品が欲しい」と言うリクエストを商品企画部門に上げて、リクエストの多い順に優先順位を付けて、開発部門に対して開発要求を上げるようなシステムでした。
現場の声を聞くという意味では、一見マーケットインの商品企画要求が行われて、顧客満足度の高い商品開発が叶うと思われるのですが、度々行う顧客満足度調査結果との乖離が多く、問題視されておりました。そしてよくよく調べてみると、顧客の真の声は、殆ど盛り込まれず、如何に売るかの、販売店関係者や営業マンの思いが凝縮されたリクエストであることが判明致しました。
また的外れの提案や、失敗した商品企画に対してのペナルティ制度がなく、出した者勝ち、声の大きな者勝ちの、状況がまかり通っており、限られた製品開発要員に、結果的に無駄な仕事を際限無く押しつけて、彼らのモチベーションを低下させる弊害を生じさせておりました。
当然、失敗の商品開発が続くため、当時のバブル崩壊と併せ、大幅な事業収益低下を招く結果となっておりました。
そこで、この悪弊を改革すべく、商品企画案に対して、ニーズ面からの、マーケット調査結果の裏付けを義務づけるとともに、販売計画案に対する信賞必罰を徹底するルールを策定いたしました。
ところがこの締め付けに対して、営業部門からの反発は強く、「売れないのは商品企画部門や開発部門が馬鹿だからだ!」「やってられないよ!」などとの反発と共に、彼らのモチベーションダウンが起こり、一向に売り上げや収益の回復が見込めず、なし崩し的に元の状態に戻ってしまう状況の繰り返しでした。
しかしいつまでもこの状況を続けるわけにも行かず、本年度刷新された経営陣より、早急なる改革を求められております。
そして、大手コンサル会社などを用いて、6月から現状把握から改革案構築までを行ってきたのですが、コンサル会社から提案されてきた改革案や手法は、在り来たりのやり方で、私どもとしては、納得の行く物ではありませんでした。
そこで藁をも縋る思いで、ネットサーフィンを行っていたところ、御貴殿のフィジビリティースタディに行き当たった次第です。
そこでお願いですが、以下の3点についてお答え頂けますと幸いです。
質問1
フィジビリティースタディについての詳しい話を、ご来社頂き経営層及び我々関係者に、ご説明頂けますか。その際の費用は如何ほどでしょうか。
質問2
フィジビリティースタディ手法を導入しようと我々が判断したとき、御貴殿からの支援を仰げるのでしょうか。その際の期間と費用は如何ほど必要となりますでしょうか。
質問3
フィジビリティースタディ手法を導入されて、効果的な商品開発に結びつけておられる製造業は、何社ありますか。出来ましたら具体名をお教え下さい。
<後略>
FS(フィジビリティースタディ)は、既にお読み頂いている私のコラムで、ご承知頂いていると思いますが、一言で言うと、“旬でよく売れて稼げる商品”を的確且つ最短コストで開発するための取り組みです。
“旬でよく売れて稼げる商品”を、最高品質かつ可能な限り低コストに、さらに最大効率で商品開発を行おうとしたときに、その取組を妨げる最大の要素に“開発設計途上における開発仕様変更”があります。このような開発仕様変更が設計途上で頻繁に行われると、設計品質を大幅に低下させることになります。
何故なら開発途上で行われる“開発仕様変更”は、期日までに仕上げねばならない設計作業を、振り出しまで戻してしまうことが少なくないからです。
しかし多くの製造業では、開発仕様変更により、本来なら振り出しにまで戻さなければならない設計を、戻すこともせず、中途半端な小手先仕事で辻褄合わせをしている例がほとんどです。そしてその結果として、低品質な魅力の無い製品しか、開発できないような悪循環に陥っております。
FS(フィジビリティースタディ)は、この開発途上での“開発仕様変更”を防ぐ為の、決定的な切り札です。切り口を変えてみると、FS(フィジビリティースタディ)は、開発する商品のQCD(品質・コスト・納期)が、バランス良く成り立ち、お客様に喜んで頂ける商品となるように、徹底的にその仕様を追い込む取組です。
例えば、ターゲットとするマーケット情報の把握などが済み、その商品の開発仕様を如何に置くかを、審議する段階を想定してみます。
私が指導するFS(フィジビリティースタディ)では、スタディがこの段階に入ると、仕込みがされていない技術を、用いなければ実現できないような、要求仕様が無かのチェックを、まず真っ先に参加者達に行って貰っております。
何故なら、全く経験の無い技術を織り込むことを前提に、その技術開発を行いながらの新商品開発を行った場合には、如何に優れた技術力を持っている製造業でも、商品開発のQCD(商品としての出来上がり品質、利益を生み出せる工場出荷原価の確保、開発期間)を、バランス良く満足に実現できないのが一般的だからです。
その作業の進め方は、ターゲットマーケットの顧客ニーズから、参加者全員で読み取った顧客が要求するであろう仕様と、競合製品が既に商品化している仕様、競合製品が近く織り込んでくるであろう仕様を、まず列記する所から始めます。さらに、列記した仕様から、該当商品の開発仕様を仮置きし、特にこれまで経験の無い仕様に対しては、その提案者の思いや狙いを明記します(顧客ニーズへの応え具合や売れ行きへの目論見など)。
次に、仮置きした仕様を、設計的に具体化する為の具現化策を、DPD(設計思考展開)を用いて、次々と追い込んで行く取組を行います。当然全体審議に参加した全員が、当事者として積極的にその具現化策を考え、積極発言をすることで、3人寄れば文殊の知恵、30人寄れば“10人の文殊の知恵?”の効果を狙っております。
恐らくここまでに説明した流れを、しっかり行って頂ければ、貴社がお困りになられている、問題点の多くは、即座とは申しませんが、悉く解消できるという話になります。
恐らく貴社にとっての最善の選択肢は、フィジビリティースタディ手法を採用頂くことでしょう。
ご質問1
「ご来社頂き経営層及び我々関係者にご説明頂けますか」
喜んでお邪魔させて頂きます。
「その際の費用は如何ほど」
1日の講演料は、弊社定価では100万円です。その他旅費日当(貴社ですと前後日宿泊が必要ですので15万5千円)を申し受けます。
恐らく貴社のニーズから申しまして、1日時間を取って頂き、これ迄、私どもが各所で行った実績などを踏まえながら、ご説明差し上げるのがベストと考えます。
ご質問2
「御貴殿からの支援を仰げるのでしょうか」
喜んでお手伝いさせて頂きます。
「その際の費用は如何ほど」
コンサルの1日単価は40万円ですが、どれだけの日数が必要かは、貴社の状況を把握してからでないと何とも申せませんので、勘弁下さい。
皆さんが扱っている商品規模から見て、短くて一年、費用的には2000万円〜になると思います。
ご質問3
「何社ありますか」
私どもが手がけた件数で、都合16社、28部署になります。
「具体的社名」
本件で、これまでご支援した何れの製造業様も、私どもが支援申し上げていることを、口外して良いとの許可を貰っておりませんので、技術士法の守秘義務でお答えできません。