<前略>
先生に道筋を付けて頂いた、商品開発改革&物づくり改革への取組みは、時間は掛かりましたが、おかげさまで目標の8合目あたりに達しております。しかし、弊社もご多分に漏れず、円高や国内景況の弱さなどから、折角先生のご指導で効率化できた分を、これらが食いつぶす始末で、先行きの不安を感じながらの日々を過ごしております。
とは申しても、後ろ向きな姿勢では、将来の我が社は無いとの決意の下、人材面での積極強化に取組もうと、この秋より動き出しております。特に新卒者の就職難、国内産業の空洞化は、逆に優秀な人材を確保するには、絶好のチャンスと捉えての取組みです。
そしてこの取組みでも、先生からご指導頂いた“ハズシの無い、的を射た人材育成”の考え方を頂戴して、“ハズシの無い人材確保”に取組もうと考えております。
そこでご意見を賜りたいのですが、先生からご指導頂いた、人材育成のための人材ポテンシャル評価を、“ハズシの無い人材確保”に応用できないかと考えており、適用可能な物でしょうか。また他社でこのような活用をされている例はありますでしょうか。
もし活用事例がある場合には、弊社でも採用したく、その際には又先生のお出ましを賜りたく、ご回答の程宜しくお願い致します。
<後略>
ご無沙汰をさせて頂いております。
既に10年近く前になりますが、私がお手伝い申し上げた取組みが、遅いとはいえ、着実にその成果を出していることは、私にとってもとても嬉しく思います。これも、私の提言を真摯に受け止めて頂き、真面目にぶれることなく、改革への取組みを遂行された皆様の努力の賜物と、感服致しております。
さてお問い合わせの件ですが、「人材育成のための人材ポテンシャル評価を、“ハズシの無い人材確保”に応用できないか」「他社でこのような活用をされている例はありますでしょうか」何れもYESです。
言うまでもありませんが、人材育成と人材採用は、表裏一体の取組みです。と言うか、人材採用時点から、より的確に、狙いの人材が確保できれば、その後に続く人材育成の取組みは、より効果的に進めることができますし、ハズシを犯す確率も大幅に減ります。
しかし短時間で人を見抜く部分に難しさがあり、何処でもどうしてもハズレの人が何割か紛れ込んでしまうことになり、又本当に欲しい人材を、沢山見逃してしまうことになります。
かつて、人材派遣の某社が行ったように、とにかく大量に新卒者や、若手の中途転職者を採用し、自然淘汰的に不適者を自主退社させて行く手法を講じている、不届きな企業がありました。“人材”を大切に確保して、大切に育成し、大いに活躍頂く私の考え方とは、相容れない考え方ですが、欲しい人材をとにかく確保しようとする、結果の暴挙と、容認はできませんが、理解できます。
しかし、貴社のような歴史もあり企業ブランドを誇りに思い、またプライドに思っている企業が採用できる手法かと言えば否で、そこが貴社の人材採用にとっての難しさであると理解致します。
そして貴社と同じような制約を科せられた企業様の一部で、お問い合わせ頂いたような、私の手法を、応用・活用頂いている次第です。
さて、具体的な応用方法ですが、人材ポテンシャル評価の評価指針や基準は、人材育成に用いる物と同じです。ただし人材育成でのポテンシャル評価では、その時点での業務実績からの評価部分がありますが、これはできない話ですので、この部分だけは割愛します。
難しいのは、人材の見極めです。どうしてもこの部分は、的確に人材を見抜く面接官が必須となります。このあたりは、弊社ホームページ2011年11月25日掲載の「製品開発・物づくりに役に立つ優秀な人材確保のポイントは」、で詳しく述べておりますので参照下さい。
何れにしろ、人材確保は今がチャンスと私も考えます。少しでも余裕があったら、地頭(ジアタマ・・結果として人材ポテンシャルの高い)の良い新卒・若手中途を、積極的に採用すべきと考えております。