CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

製品開発・物づくりに役に立つ優秀な人材確保のポイントは


■質問■

<前略>

弊社でもこれまで、世に抜きん出た製造業力を保有するために、様々な取組みを行って参りました。様々な手法を導入し、また様々なITツールを、高額の費用を費やし導入し、さらには世の一流と言われる学者やコンサルタント達の指導を、大枚をはたいて仰いで参いりました。しかし、我々の実感としても、また計数的な費用対効果の面でも、はかばかしい成果を得られておりません。

このような経緯もあり、10月の新期スタート後より、関係者達で、繰り返し過去の取組みの総括と、今後のあるべき方向性の議論を行って参りました。結論的には、先生のご説のよう、最強の製造業力を持つためには、詰まるところ如何に優秀な人材を、豊富に確保できるかに掛かっている、との結論に達しました。そして急遽、これまで優秀な人材確保がはかばかしくなかった反省も踏まえ、優秀な人材の大量確保へ向けての、新しい取組みをスタートする運びとなりました。ちょうど大卒生の就職難とも重なるため、絶好の好機かとも考えております。

そこでご教示頂きたいのですが、製品開発や、生産技術などの物づくり部門のスタッフ要員として、役に立つ優秀な人材を確保するためのポイントは、どこにあるのでしょうか。弊社クラスに応募してくる俗に言う一流大学出は、どうも外れの人材がこれまで多く、これらの“ババ”を掴まされないコツや、4・5流大出や工業高校出の中にも埋もれた人材がいるはずで、これらの“磨けば光る玉”を見逃さない注意点などの併せてご教示頂けますと助かります。

今後、弊社の人材確保や人材育成に、先生のお力をお借りすることを前提に、ご回答頂けますと幸いです。

<後略>

■回答■

私どもでは、昔から、様々な支援先に対して、人材育成のための、“人材ポテンシャル評価”と言う手法を用いて、定量的に人材の能力を測り、計画的に優れた点を伸ばし、劣っている点を補強する教育を、支援して参りました。標準的な評価の流れや、用いる評価項目、結果としての評価例などを、図1〜6に示します。

この評価方法は、世の中で一般的に人材の評価に用いている“顕在能力”は基より、各々が持つ“潜在能力”に深く着目して居るところにその特徴があり、又評価者の観察力・洞察力、論理性、聞き出し能力などを強く求められる、必ずしも簡単ではない取組みでもあります。

そしてこの考え方に準じた視点と方法で、即ち定量的な評価ポイントを持って、その採用人選も行っているため、お問い合わせ頂いたような“ババ”を、滅多に掴まされませんし、恐らく“磨けば光る玉”を殆ど見逃していないと思います。

また見逃しを防ぐため、可能な限りの応募人員に対して、書類選考や足切り筆記試験での、排除を止め、一度は採用面接を行うように、心がけて頂いております。

しかし、新採用の場合には、膨大な人員の中から、人材を選りすぐる必要があり、この際に採用面接を行う人員の問題が生じます。かといって、誰でも面接官にできるかというと、簡単ではなく、ある一定レベル以上のスキルを必要とします。

具体的には、現役の製品開発や、物づくりスタッフの中から、適正な人材を選別して対処するしかありません。選別した彼らに対して、その面接力を高めさせる教育を施し、その眼力を高めさせることにより、一次選考における見逃しを防ぐようにしております。間違っても、技術に疎い、人事スタッフなどに、一次選考を任せないでください。

多くの場合には、一次選考は、入社年度3〜5年の現役スタッフが、3名程度でチームを組んで当たるよう指導しております。さらにその後、係長・課長クラスによる2次選考、部長役員クラスによる最終選考へと進み、より厳選した人材を確保できる様な仕組みとしております。

ただしこのような選考過程を経ると、往々にして、自分の配下に欲しい人材確保へと、面接官の意識が強く働きます。ともすれば使いやすそうな人材などと言う、穿った考えを持つ面接官も少なからず現れます。これでは、私の意図する“可能な限り面談で漏れなく“と言う意図から外れてしまい、イエスマンしか残らないような、愚かな結果に陥ってしまいますので、厳しくこのあたりを排除する仕組み作りも必須で求められます。

尚一次面接で必要とされる、膨大な面接官要員の選考ですが、私が支援している先ですと、それ以前に、スタッフ全員の人材ポテンシャル評価が済んでおりますので、容易に適正要員の人選ができます。

又補足ですが、上で「足切り筆記試験での排除を止めろ」、と申しましたが、筆記試験を止めろという意味ではありません。記述式で、その知識や考え方を求める筆記試験は必須です。一次面接以降で、それぞれの回答内容には、面接官の突っ込み所が満載されますので。またこれに、まともに答えられない応募者は、一次面接以前に、当然排除しても構いません。



人材ポテンシャル診断の概要


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図1 人材ポテンシャル診断の内容


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図2 人材ポテンシャル診断、事前アンケートの例


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図3 人材ポテンシャル診断 評価項目例


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図4 人材ポテンシャル診断 評価結果例 個人別レーダーチャート例


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図5 人材ポテンシャル診断 評価結果例 部署別人材配置案例


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図6 人材ポテンシャル診断 評価結果例 部署別人材育成方向案例