CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

これまで自力で取り組んできたのだが、フロントローディング開発態勢を短期間でどうしても実現したい



■質問■

<前略>

与謝野さんの景気底打ち宣言を素直に受け止めることはできませんが、少なくとも近い将来景気が上向き、弊社が展開致します市場状況も回復してくると読んでおります。

しかし弊社の調査部門の予測では、本不況に突入する前の活況状態に短期間で回復できる見込みは極めて低く、今後数年は縮小された市場で、競合入り乱れてのパイの奪い合いになることは目に見えております。

一方、サブプライムの破綻が読めた一昨年度途中より、景気回復時のスタートダッシュを狙い、仕事量が大幅にダウンした設計余剰工数を活用し、開発力強化の取組に取り組んで参りました。そしてこの取組のバイブルとして、先生の機械設計誌の連載記事や御著書を積極活用させて頂いております(取組開始は御著書を用いての輪講からスタートしております)。

取組を開始した当時は、未だこれほど深刻な不況状況に陥るとは読めて居らず、どちらかと言えば将来に向けての勉強会程度の意識で気軽に取組に着手したのですが、深刻な不況状況に陥るにつれ取組への参加者の多くの目の色が変わり、喧々囂々の議論も頻繁に繰り返しながら必死な取組を行って参りました。

しかし取組開始から二年弱、景気回復が見えて参った昨今、私ども中心メンバーには、極めて大きな不安がのし掛って参りました。先生の御著書を参考に、フロントローディング開発態勢の確立の方向性を定め、ベストと思われる実行計画を策定して取組を行って参ったのですが、「本当にこのまま進めて行って先生が仰られるような画期的な成果が得られるのだろうか」「我々の持つリソースで、本当に先生が仰られる様な状況に至れるのだろうか」などの不安です。

そこで突然のお願いで申し訳ありませんが、これまでの取組の内容に関する資料を添付させて頂きますので、一年以内で我々の計画が巧く行くか否かの先生のご意見をお聞かせ頂けますと幸いです。

当然、我々の取組を検証頂き、ご評価頂くに際しての費用は、お支払いさせて頂きたいと思います。添付致します資料にザッとお目通し頂き、費用をお見積もり頂けますと幸いです。

尚、技術士の先生ですので、くどく確認する必要は無いのかもしれませんが、添付致します資料類の取り扱いには、くれぐれもご配慮頂けますようお願い致します。

<後略>

■回答■

まず添付頂いた内容では、一年以内に皆さんが狙われている成果を得ることは不可能と考えます。未だ鳥瞰的に御資料を拝見しただけですので、私の見込み違いが無いとは申せませんが、これまで私が関わって参りました数多くの取組や、160件を超える現状診断などの経験と重ね合わした場合、皆さんの取組は、失敗パターンを邁進していると思えてなりません。

私が気になっているポイントをいくつか列記致します。

私が気になっているポイント

とりあえずご希望ですので、お送り頂きました資料を精査・分析の上私共の見解をレポートさせて頂きますが、現時点で私どもの“現状診断”を受診されることをお奨め致します。

恐らく今のままでは、短期間でのフロントローディング開発態勢の確立などほど遠い状況に陥ると思います。的確に、質が高く効率の良い商品開発を妨げている原因を探し出し、その原因を短期間で取り去る計画に落とし込む事が肝要と考えますので。

詳細見積は、どのような方向で進めるかのご希望を頂いた後行わせて頂きたいと思いますが、おおよそ以下の費用となります。

おおよその費用

  1. お送り頂きました資料を精査・分析の上私共の見解をレポート(A4、10枚程度)の場合
                                        ・・・180万円(消費税・諸経費別途)
  2. 上項プラス、貴社におじゃまして私の口から詳しく説明の場合
                                        ・・・240万円(消費税・諸経費・旅費別途)
  3. 私共の現状診断を受診頂く場合
                                        ・・・1200万円(消費税・諸経費・旅費別途)〜



追伸)

お預かり致しました資料の扱いに関しましては、ご安心下さい。

技術士法に則り一切の機密漏洩を私共から行うことはございませんし、パソコンや機密データの盗難を防ぐために、私共の事務所では、警備会社への警備委託やネットワーク進入防止など、細心の配慮を行っております。さらに、私が出張など外出時持参致しますPCの盗難の危険性を防ぐため、コストはかさみますが宿泊するホテルの選択にまで気配りを致しております。


<参考>

技術士法 第45条

技術士又は技術士補は、正当の理由がなく、その業務に関して知り得た秘密を漏らし、又は盗用してはならない。技術士又は技術士補でなくなつた後においても、同様とする。

技術士法 第59条

第45条の規定に違反した者は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。