ＣＡＤオペレータ削減に対する効果的な対処方は？

■回答■

まず私がご支援申し上げている多くの製造業様では、貴部署の様に“彼らの内の一人でも抜けられると、開発が大混乱に陥る可能性があります”と言う状況を起こさない手だてがしっかり確立できております。

ですから折角ご質問頂いたのですが、“その際先生はどのような対策手段をご指導なされておられるのでしょうか”と言うお問い合わせにはお答えしようがありません。

さて貴部署の現状を推察するに、かつて３次元ＣＡＤオペレータを与えられた、中堅・ベテラン設計者達の多くは、本来なら３次元ＣＡＤオペレーションだけを依存すべき設計の素人たちに、実質的な設計行為を結果として丸投げして来たのではありませんか？

そして中堅・ベテラン設計者達は、本当の意味で“自ら設計を行わなくなっている”状態に陥っておりませんか。ですから“彼らの内の一人でも抜けられると、開発が大混乱に陥る可能性があります”と言う危機感をお持ちになっておられるのではないでしょうか。

もしそうだとしたら、抜本的な手を打たないと今回の問題は乗り越える事ができないと思います。

今後、欧米にとどまらずワールドワイドで物が売れなくなると思います。新商品の開発競争もこれまで通りのやり方では通用しなくなって来るはずです。設計部署に対する負荷が増えるか減るかは、それぞれの製造業の経営方針によるでしょうけれど、私の考え方に従えば、開発案件は大幅に減少するでしょう。なぜなら自分たちの得意分野に集中し、精鋭だけを選りすぐった開発チームで、物が売れない世の中でも、確実に売れ確実に稼げる商品開発に絞り込むべきだと考えているからです。

この考え方に則れば、ＣＡＤオペレータ達が全ていなくなったとしても、開発案件が大幅に減少した分、設計部署では大きな余剰工数が生ずるはずです。頭脳として開発に集中する（中心になって行う）メンバーを除いた全ての設計者達に、減員されるＣＡＤオペレータの役割を果たしてもらえば済む話と考えます。

４０の手習いは酷かもしれませんが、全ての設計者達に３次元ＣＡＤのオペレーションを覚えてもらうチャンスです。また仕事の分担や設計者各自のプライドの問題はあるかもしれませんが、目的を明確にし周知徹底することで、苦しい時期を凌ぐ一過性の苦痛と理解してもらえると思います。

しかしこれまで、ＣＡＤオペレータにおんぶに抱っこしすぎて、設計の根幹部分までをも彼らの依存せざるを得ないような状態に陥っていた場合には、この方法も取れないとは思いますが。

＜ご参考＞

• 自分で設計をしない設計者が増殖・蔓延中（その１）
• 自分で設計をしない設計者が増殖・蔓延中（その２）
• 自分で設計をしない設計者が増殖・蔓延中（その３）
• ベテラン設計者が３次元ＣＡＤを使ってくれないので計画図の流用設計ができない