私の講演に際して行ったアンケートで、用紙に記載された質問事項の転載を致します。
<質問事項>
コスト設計についてもう少し詳しく補足下さい
製品の原価を決め込むには、開発が終了した製品に対するVA/VEアプローチでは効果が極めて薄いことが一般的です。かえって手間や問題を生み、思ったほど効果が出せない場合が多く生じます。
なぜなら、既に評価試験が終わってしまった製品に大幅な設計変更を行えないからです。コストのために、折角開発目標をクリアーした製品を台無しにしてしまったのでは、本末転倒の話だからです。
一方開発初期段階〜評価テストに入る前の、開発途上におけるコスト設計アプローチは、極めて大きな効果を持ちます。コスト低減のための思い切った手も打てますので、開発終了後に比べたらその効果は一桁違います。
と言うことは、開発段階で設計者達にコスト設計の意識を徹底させることが重要になります。本来コンカレント設計で最も寄与しなければならない、生産技術や資材部署などの積極的な協力(いや参画)も極めて重要です。
どこの製造業でも、設計に言われなくても、設計途上の図面(CAD端末の画面)を覗き歩いて、コスト面からのアドバイスや要求を積極的に行うくらいしないとコストは下がらない物です。