CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所


派生製品が多い多品種少量生産に適した生産方式




■質問■

私の講演に際して行ったアンケートで、用紙に記載された質問事項の転載を致します。

<質問事項>

お話の中で“屋台のラーメン屋方式”と称する生産方式の話があったが詳しく説明して下さい。

■回答■

ベースになる中間製品に対して、様々なオプションを組み付けることにより、完成品となる様な製品に対して有効な生産方式です。

一般的には、このような性格を持った製品でも、多くの場合、様々なオプションを組み付けた完成品を、製品在庫として持つケースが少なくなく、不良製品在庫を増やす原因に成っております。

“屋台のラーメン屋方式”と呼ばれる方式は、最小限の中間製品を在庫し、注文を受けてから、それぞれのオプション仕様に組み上げて出荷する方法です。

一般的な屋台のラーメン屋(屋台以外でも)は、朝から自宅の台所などで仕込んだ中間製品(仕掛品=麺,スープ,刻み葱,メンマ,チャーシュー、なると、コーン、焦がしニンニクなど)と、調味料(部品=味噌,醤油、塩,バター,ラー油など)を、屋台の所定位置に整理格納して営業場所に出かける。営業場所では、お客さんの注文を受けてから、麺ゆで、スープの調合を行い、麺の湯切り、盛りつけ、トッピングの工程を経て、お客さんから注文されたラーメンを出す流れをとっております。

この方式で、10数点余りの中間製品(仕掛品)と調味料(部品)で、30品目をこえる商品(醤油ラーメン、塩ラーメン、みそラーメン、チャーシュー麺、塩チャーシュー等)を、即座にお客さんに提供できます。さらにスープに豚骨スープを加えるとそのメニューは倍増できます。

そしてその上、製品在庫はゼロ,麺やチャーシュー等仕掛製品は、腐らせなければ翌日に持ち越せる、不良資産化していない部品在庫と言う具合です。