CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所


設計改革の押さえどころは




■質問■

私の講演に際して行ったアンケートで、用紙に記載された質問事項の転載を致します。

<質問事項>

設計改革の押さえどころを教えて下さい。

■回答■

設計改革や商品開発改革への取組は、一朝一夕で出来る取組ではありません。なぜなら、準備しなければならない様々な技術や情報が膨大にあります。これらを根気よく取得して、使えるように整理・格納するだけでも膨大な手間を必要とします。

ましてや、設計という仕事は、設計者の“知恵“に寄るところが大きいものです。この知恵を巧く設計業務に結びつけて行けなければ、質の高い設計は叶いません。このための仕組みを作ったり、知恵を発揮できる設計者を育成することも並大抵の取組ではできません。

世の中には、フロントローディング設計、FS(フィビリティスタディ)、DPD(設計思考展開)という言葉だけを取り入れると、自分たちが抱えている問題が全て解消できると大きな勘違いをしている、とんでもない経営者達がいます。

こんな経営者達にとって、一朝一夕では済まない設計改革などは、知りたくもないことなのでしょう。その結果、半年後、一年後に数字が出ないと言うことで、改革が頓挫する結末で終わることになります。嘆かわしい事実だし、このような経営判断しかできない経営者は、軽々しく「設計改革」や「商品開発改革」など口に出すべきではありません。