<前略>
先生が御提唱されております設計思考展開手法を用いて、弊社が持つ技術の棚卸、強味・弱みを明確化したうえで、強味を生かした新製品を開発いたしました。製品詳細は添付いたしました資料を参照ください。
またこの新製品の開発仕様決定に当たっては、ご著書の要領に従い、製品の使用シーンの想定から、あるべき姿を追い込み、常に設計思考展開を用いながら、製品開発を進めてまいりました。我ながらなかなか良い出来栄えだと自画自賛しております。
しかし問題は、販売段階で大きな壁が立ちはだかりました。これまで弊社独自での製品販売を行ったことがなかったため、モノを売るルートが皆無です。
そこで出入りの機械商社や鋼材商社などに、実際の製品を見せたうえで、製品の優位性などのプレゼンテーションを行い販路の開拓を依頼したのですが、捗々しくありません。すでに半年が過ぎてしまいました。
そこで藁をもすがる思いで、幅広くご活躍されておられます先生でしたら、何か良い方法をご経験されておられるのではないかと思い、問い合わせをさせていただきました。
<後略>
「設計思考展開」手法をご活用いただきありがとうございます。また本手法を独自でご活用いただき、製品開発に漕ぎ付けられたことには、深く敬意を表します。
さてお送りいただいた製品の用途は、製品の使用シーンで十分検討をされておられると思います。そうすると、その製品がどのような販売店で売られると、皆さんが想定したエンドユーザの目に触れ易いかが、容易に見当がつくのではありませんか。
しかし販路の確保の場面で苦労されると言うことは、何故だと思いますか。皆さんが行ったアプローチでは、製品の使用シーン迄はしっかり詰めているのですが、その製品が本当に売れるのか、幾らなら売れるのか、どのように売ればよいのかがすっぽり抜け落ちております。これまでの貴社の経験からしてやむを得ない事かもしれませんが、まさにプロダクトアウトそのものの、商品企画アプローチだったと言うことです。
と言うことは、販路確保の前に、今現在の製造原価で本当に売れるのか、の詰めが必須と考えます。その上で販路確保のアプローチ、という流れになるでしょう。
わたくしの目から見た結論的には、外部委託販路は農機具販売店とホームセンタだと思います。直接的販路としては、ウエブ販売です。今ではこの手の商品も、ウエブ販売で良く扱われるようになってきましたので。
そしてこれらに対して、皆さんが直接営業活動を行うべきと考えますが、それ以前にやることがあると言うことです。
ご依頼頂ければ、皆さんが行ったアプローチ内容の検証、及び抜けている部分の補完などの、ご支援を申し上げることは吝かではありません。
また、本来の私の業務範囲ではありませんが、20年以上の経験の中には、直接農機具販売店と接触した経験や、ホームセンタの商品企画の方々と接触した経験もございますので、必要とあれば販路確保の場面でも支援可能です。