<前略>
これまで弊社では、様々な先生方の指導を受けて、事業全体のポテンシャルアップや、社員一人一人の意識向上などに取り組んで参りました。その結果手法を用いる技術や知識レベルでは、各人世間相場に比べて、格段に高いレベルに達していると思います。
しかし実際の製品開発場面では、これらのスキルが全くと言って良いほど発揮されず、一向にその効率が高まりません。
決められたことは、そつなくその範囲の中で処理する能力には長けているのですが、先々に起こるであろう問題を予測したり、それに対して前もって手を打つようなフロントローディングの取組、自分の担当外の周辺役割との先手を打った配慮や調整などが巧く機能せず、開発途上で様々な齟齬が生じております。
先生の御著書などを拝読すると、開発に関わるメンバ一人一人の意識改革が重要と説かれておられますが、どのような手法を用いて、どのような指導を行えば弊社が抱える問題を解消できるのでしょうか。
<後略>
ご質問の趣旨を充分に理解できない状態での回答ですので、的外れな回答になるかもしれませんがお許し下さい。
**さんの狙う最終ターゲットは、「開発に関わるメンバ一人一人が、自発的に自分の役割を的確に理解して、周辺と密な連携を取りながら、物事全てに先手を打って、最大効率で高品質な商品開発を実現すること。」と理解して回答します。
まずこれまで貴社が行ってきた手法や知識の取得にあたって、その目的が明確化され、各人に徹底されていなかったのではないでしょうか。また、各人が自発的に自分の役割を理解して、自発的に動けるような育て方をしてこなかったのではないでしょうか。高名な先生方のご高説を、ただ垂れ流し的に与え続けてきたのではないでしょうか。
その結果、指示待ち・自分の役割の最小化・他の都合より自分の都合が最優先のような文化が定着してしまったと診ました。
このような停滞感のある組織に対しては、ショック療法しかないと思います。如何に自分たちが世間常識から外れた姿勢で仕事に臨んでいるかを、自社の利益に対して如何に背信行為を働いているかを、具体的な悪さ事例を一つ一つやり玉に挙げ、この悪さを生じさせた元凶を吊し上げ、自己反省を求めてゆく極めて厳しい方法です。
当然貴社内の人間がこれを行ったのでは、大混乱が起きるはずですから、私共にお申し付け下さい。汚れ仕事は一切合切お引き受け致しますので。
とりあえず私共の“現状診断”を受診下さい。