CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所


そろそろ自動設計の準備をした方がよいか


     ・・・実用化までには20年以上かかると思うが設計思考の体系化などは日々行っておくべき



■質問■

<前略>

最近自動運転などAIを活用した様々な自動化が盛んに進められておりますが、設計行為そのものの自動化も近い内叶うものになるのでしょうか。

自動運転などは5年後の2020年には実用化が叶う様ですが、それほどAIテクノロジーは進んできたのでしょうか。

<後略>

■回答■

単純なルーチンワーク行為や、既にあるベース製品を基本的にはいじらず、部分編集するだけの行為を除き、設計という行為は、車を運転するような単純な思考行為だけで行えるものではありません。

設計者達が持つ想像力や検証能力を駆使して、全く新しい物を創造する行為が設計行為であり、人類だけが行いうる極めて高度な知的行為です。しかも選りすぐられた限られた人たちだけが、なし得る行為です。

実は私が40年前、機械設計者からCAD分野に入った動機は、設計の自動化を夢見てその将来性に賭けたからです。しかし40年経った今でもその夢は叶えられておりません。また実現できるのは、今のIT関係の進化スピードを考えても、早くて20年かかると思っております。

一方、単純なルーチンワークや、既にあるベース製品を基本的にはいじらず、部分編集するだけの設計作業は、Pro/Eなどのパラメトリックフィーチャー機能を用いての自動設計システムとして、既に20年前には実用化をさせてきました。

そもそもPro/EなどのパラメトリックフィーチャーCADは設計の自動化研究から生まれてきた代物ですから。

最近のPTCの動向を見ても判るように、単に設計思考の具象化ツールである、PTC CreoのようなノンヒストリーのCADを盛んに奨めている理由は、人間の知的作業にAIが取って代わることが出来るのは、今しばらく先のことだという判断からだと理解しております。

しかし一方自動化の準備という面で見たときには、そのベースになる、設計者が設計行為を行う際に頭の中で展開する“設計思考”の過程は、新規設計を行う毎全てに対して、しっかり記録して体系化しておく必要があります。

この記録して体系化された思考過程は、自動設計に至らなくても、設計の内容を論理的に記録・伝承する為には、必須となる重要な情報です。ある意味極めて緻密な設計書であり、後で用いると緻密な設計マニュアルにもなる代物です。

私が推奨しているフロントローディング設計を行っているところでは、“設計思考展開”手法を必須のツールとして用いているので、敢えて準備作業などと言わずして、この貴重な情報が、自動的に蓄積されておりますが。