<前略>
弊社では、先生が2006年から2007年にかけて機械設計に連載された「グローバル競争を勝ち抜く “攻め”の設計改革講座」を参考にさせて頂き、2007年度より設計改革に取り組んで参りました。
特に先生がおっしゃられる“稼げる商品開発”に重点を置き、フィジビリティースタディを制度化して、新規の製品開発や主力製品のモデルチェンジなどでは、相当時間を費やしてのスタディを行って参りました。
そのための設備としては、FS室と名付けた100名強が入れる階段教室に、プロジェクタ10台を同時表示できる環境や、国内外生産拠点や販売拠点との遠隔地コラボレーションコミュニケーションツールを用意するなどして、環境面的には万全な仕組みを構築して参りました。
実際の運用面では、開発会議で指名された開発リーダが中心になり、先生が提唱されておられます“設計思考展開”手法を用いて、参加者全ての情報と知恵を重ね合わす形で、商品仕様検討段階から概略設計までをFS室で集中的に行うようにして参りました。
そして取組開始から7年、開始した時点から比べると、フロントローディング設計の観点からは、生産性が倍増した実績(定量的に)を得ることができたのですが、“稼げる商品開発”と言う観点で見たときには、定量的な成果を計ることが出来ておりません。
幸い、フロントローディング設計面で成果を上げておりますので、経営サイドからは評価を頂けておりますが、事業全体の商品開発力増強という面では、これらを推進してきた私共としては、不十分と感じております。
先生のご都合がよろしければ、近日中に先生にご来社頂き、これまで私共が行ってきた取組の内容をお聞き頂くと共に、私共が行う実際のフィジビリティースタディをご視察頂き、我々がこれまで取り組んできた取組の問題点をご指摘頂くと共に、改善点をご指導頂く機会を設けさせて頂けないかと、お問い合わせさせて頂きました。
可能でしたら、来期(4月から)早々の軌道修正キックオフが叶うように、3月中に大まかなご指導が終わるようなスケジュールでお願いしたいのですが、如何でしょうか。
またその際の費用などの概算をご呈示頂けますと幸いです。
<後略>
まず、ご支援させていただくことは、吝かではありません。
しかし、費用的な面で、まず3月までにどれだけのご支援日数を必要とするかが、ご呈示頂きました情報だけですと読み取るが不可能です。
幸い今月末(1月)最終週は、社内業務だけで客先訪問予定はありませんので、貴社のご都合に合わせてお邪魔させて頂くことが可能です。その席で半日程度あらましをお聞かせ頂き、正式な見積もりを作成させて頂きたいと思いますが如何でしょうか。
現時点では、これまで経験した貴社ケースに相当する例ですと、訪問4日〜10日、費用200万円〜1800万円と幅があります、としか申し上げられません。
これは、口頭で問題点・改善点指摘〜簡単なレポートと報告会で報告〜詳細な診断レポートと報告会で報告とご支援する内容で、当方が取られる手間が大きく変わるためです。
追伸)
現時点で私の経験上感ずる貴社の状況は、“仏造って魂を入れず”を感じます。本来なら7年も取組を行っていれば、フロントローディング設計の面からも、もっと大きな成果を出していなければならないはずですので。