<前略>
以前からあったのですが、韓国部品メーカからの売り込みが頻繁にあります。しかしこれまでは、弊社が要求する品質基準に満たない物ばかりで、採用に至っておりません。
部品購入価格を下げようと、積極的に売り込みを受けようとする購買部門は良いのですが、どうせNGとなる売り込み部品の品質検証を行う我々にとっては、どちらかと言えば手間ばかり取られて迷惑な存在でした。
ところが先月、韓国部品メーカの***が持ち込んできたサンプル品は、問題なく弊社基準をクリアーし、部品を分解したり切断してみたのですが、加工も適切に行われておりました。
また価格も現在購入している国内メーカに比べて4割安で、大幅にコスト低減が叶います。
今の円安状態では、どうしても購入部品の価格が下がらず(輸入素材を用いている部品などは値上げを受けざるを得ず)、どうしても購入部品のコスト低減を余儀なくされている現状です。
そこでお尋ねしたいのですが、幅広く国内製造業の状況をご存じの先生なら、韓国部品の信頼度や採用状況の実態を把握されておられると思いますが、上記部品を採用しても良い物でしょうか。
<後略>
リスクを覚悟されておられるのなら、採用も一つの選択肢としても構わないと思います。しかし以下のポイントは必ず押さえてください。
他にも沢山注意しなければならないことがありますが、これはお手伝いをご依頼頂いた後にお伝え致します。
さて、以上なような、貴社側が取らなければならない取組のコストと、ウォン高の現状を考えると、見た目の4割安が、本当に4割のコストダウンになるか否かは、甚だ疑問です。
またその4割安の価格も、採用半年後には、値上げを必ず言って来るはずです。幾ら人件費が我が国の半額程度とはいえ、該当部品の支配的な価格要因は、素材費と加工機や設備のインフラ費の筈です。輸送コストなどを考えると、国内メーカの4割安では、到底利益が出るとは思いませんので。
と言うことで、私の知見では、止めておいた方が無難という結論になります。
恐らく上記条件での契約では先方が逃げると思いますが、此処を妥協すると必ず痛い目を見ますから注意してください。
また契約をしっかりしていたのにも拘わらず平気で反故にした、若しくはしょうとしたケースもありますのでこの点にもご注意下さい。