<前略>
計画図段階での設計品質を上げる方法をご教示頂きたく、問い合わせをさせて頂きます。
現在弊社では、設計部署の生産性向上を目指して設計品質の向上に取り組んでおります。先生が提唱されておられます設計思考展開手法やミニDRの頻繁開催、CAE技術の徹底活用などを、ご著書を参考に導入させて頂き、座学や成果発表会などを通じて末端迄への浸透をこの3年ほど行って参りました。
しかし残念なことにその成果は思わしくなく、設計品質の向上は目標値には到底及ばず、取組着手時点と殆ど変わらないという結果に終わっております。
そこでこの数ヶ月、何処がボトルネックになっているのかを、推進メンバーを中心に徹底調査を行ったところ、試作段階での問題発生、生産準備段階での問題発生、製品出荷後の問題発生、いずれの原因も突き詰めると、計画図段階での詰めの甘さや設計ミス勘違いなどに行き着きました。
恐らく我々が行っているミニDRチェックのザルの目が荒すぎたり、設計思考展開が十分に行われていないなど反省点は沢山あるのですが、この段階での設計品質を他社(設計の生産性向上を果たしている)ではどのような方法でクリアーしているのでしょうか。
<後略>
まず原則をお答え致します。
担当する設計者自身が、部品図バラシ(パーツレベルの3次元設計も含め)を直接行わない限り、計画図は、その終了時点で、設計行為が完全に終了していなければなりません。また設計者自身が直接行う場合でも、部品単位の詳細な加工方法などを除き、設計の主要部分は完全に検討尽くされていなければありません。また当然ですがDRやミニDRもこの段階では、その後に発生するであろう問題点を、あらゆる視点で充分に洗い出して、チェックされ尽くされておらなければなりません。
何故なら、この段階での検討・検証漏れが、その後で発生する問題の、大きな原因となるからです。
そして計画図段階での設計品質が優れていなければ、設計品質向上など到底無理と言えるでしょう。
さて、貴社の状況が、お問い合わせ頂いた情報だけでは、十分に分からないところがありますが、私の長年の経験に重ね合わせますと、以下のポイントがその巧く行かない原因になっていると思われます(他社で良くあった原因)。
そしてこれらの対処法としては以下の手立てがございます。