本年も6月25日昼頃、設計製造ソルーション展を駆け足で見てきたので、その概要を報告する。
アベノミクスの効果か印象的には、最近数年の人出に比べ2割程度の増加に見えた。ただし私が見て歩いた日時的な要因や、CAD・CAM・CAE・PDMなどの展示ブース件数が大幅に減ってきたために、単にこれらエリアにいる人密度が上がったためかもしれないので、断定は出来ない。
まず総論的に述べると、例年に増して目新しい展示が無かったことにまず失望した。既に十分に行き渡った3次元CADや、特殊用途を除くCAEツールなどは、その機能的には既に飽和状態に入っており、魅力的な目新しい機能をアピールできなくなってきているのがその原因かと思われる。
また展示件数が一時期に比べて大幅に減っている原因は、このような展示会で、目新しい機能を売りに、新たな顧客を見いだす事が難しくなったためだと思われる。
一方例えば5月末に行われたANSYSユーザーカンファレンスなどでは、1000人程度の来場者を迎え、新機能の発表やユーザー事例などの紹介がなされていた。これは他のCADやCAEツールでも同様で、“これから新規に何かを選ぼうとする”人たち以外は、自ずとこのような会に参加して、必然的に設計製造ソルーション展などからは、足が遠のく事になってしまうのだろう。
しかし私などは、その商売柄、絶えず新しい動向を把握して、支援中の客先で抱える課題を解決できる道具はないかと、探し続ける役割があるために、毎年せっせと出向いてゆくのだが、今年ははっきり言って無駄足になってしまった。
唯一3Dプリンターと3Dスキャナーのブースは、盛況であったことを補足しておく。