CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

Windows XPのサポートが終わるがCAD・CAE・設計事務用途のPCをどうすべきか?




■質問■

弊社では、設計用途のPCにOSとして、未だにWindows XPを使い続けております。理由は、機能・早さなど使い勝手などあらゆる観点から見て、実業務用途での使用では、XPで十分という判断からです。

特に弊社では、先生が10年ほど前に、その御講演で提唱しておられた、ネットワークセキュリティ方式を採用しており、業務用途の社内LANは、物理的に完全に外部と遮断して、外部からの侵入を許さない仕組みにしております。

因みに社外とのメール交換やインターネット閲覧は、これも先生の御推奨通り業務用途とは別なノートPCを間接職全員に配布してあり、仮に外部から悪意のある侵入が行われても、社外と遣り取りした暗号化していないメールを盗み見されるか、悪事の踏み台にされる程度で、当社にとっては殆ど被害が生じないような仕組みにしてあります。

余談ですが、そのほか試行錯誤的にさまざまな工夫をこれまで講じており、セキュリティ的には十分な自信を持っております。若干使い勝手の制約はありますが。

そしてこのような環境下ですので、セキュリティ対策が主のXPサポートが終了しても、特に我々としては問題を感じず、CAD・CAE・設計事務用途のPCは、今後もそのまま使い続けようと考えております。

しかし複数の業者が、「現在使っているCADなど対応が無くなる」「OSをアップグレードしないと他社に後れを取る」など、さまざまな理由を付けて上層部に話を持ってゆく物ですから、社内で混乱が生じております。

そこで先生にお願いですが、ご来社頂き、弊社の上層部他関係者達に、この件に関して、今後どうすべきか、他社の動向はどうか、CAD開発元などの動向はどうかなど、高位大所からの御講話を頂けませんでしょうか。

尚、仮に先生のお考えが、我々の考え方と異なっておられても構いません。今後の我々の進め方の参考にさせて頂きますので。

■回答■

私も、**さんのお考えに賛成です。当面はWindows XPを替える必要性はないと思います。貴社がこれまで築かれてきた環境は、外部からのセキュリティリスクを、完全にブロックしているようですので、なおさら替える必要性がないといえるでしょう。

仮にCADなどのXP対応が無くなった場合には、エンハンスメント契約を止め、そのままCADのバージョンを固定して使い続ければよいはずです。貴社で何を使ってるか承知しませんが、多くのCADはその成長期を終え、安定期に入っておりますので、細かい不満はあっても、恐らく積極的な大幅機能拡張を、貴社の設計者達は求めていないのではないでしょうか。

これはCAEなどの、他の設計支援ツールでも同じことが言えます。さらにOfficeなどは、私に言わせればOffice2000で十分なレベルにあり、恐らくご使用中のOffice 2003なら、今後ずっと使い続けても、貴社の事務用途としては、十分にその役割を果たしてくれると思います。

そして少なくとも、私がこれまでご支援申し上げてきた先、現在ご支援申し上げている先、に対しては、OS及びCADなどのアプリも固定して、しばらく(10年以上は)使い続けることをお勧めしております。

当然セキュリティの都合や、CADなどの汎用アプリ以外で、OSの最新バージョンを常に必要とされる先は除いての話ですが。

またPC補修用パーツの供給ですが、膨大なXP企業用途ユーザ(現在2万台とも言われる大半はXPのまま残るはず)が残る限り、供給するメーカは必ず残るはずですので、修理の心配はないと考えます。

ただし、PCを購入した販社などは、サポートを嫌がるでしょうから、社内に人材を育てるか、サポートを行ってくれる先を、早めに確保して置くべきだと思います。小規模でも、このようなサポートを行ってくれる先は、沢山ありますので。

と言うことで、貴社にお邪魔させて頂きお話をさせていただくことは、吝かではございません。