数ヶ月前になるがある懇親会で、見知らぬ方から本末転倒の苦情を賜ったので紹介する。
苦情内容
「貴方は商売に結びつくから良いのだろうけれど、投資対効果を前面に押し出した3次元CADの導入効果を、余り吹聴しないでくれ!」
「貴方のホームページを読んだ上層部から、これまでの我々の取組みを否定するような発言が出て、我々は今非常に大変な思いをしている!」「この席に何人も、うちと同じ思いをしている方々がいる!」「貴方と面識のある方が、貴方を指さして「苦情を言ってきたらと」教えてくれた」
「恐らく世の中の多くの製造業は、うちと変わらない状況だと思うが、本当に貴方が例示している様な、大きな投資対効果を享受できている製造業があるのか!」
「確かに貴方の言うように、3次元CAD導入を目的としての取組みでは、充分な成果が出辛いことは解るが、上層部が解っていない中で、我々の出来ることは限られている!」
「そこを解っての、貴方の吹聴なのか?」「20年近いこれまでの取組みを否定され、憂き目を見ようとしている、3次元CAD導入推進者が何人いると思うのだ!」・・・・
反撃@(私の予てからの同志から)
たまたま立ち話をしていたメンバーの中に、私が事例紹介しているモデル企業の一つで、長年設計改革に取り組んできた方がおり、その方が、私が口を開くのを制して、私の代弁をしてくれました。
「うちは先生のおかげで、大きな投資対効果を享受できていますよ!」「おかげで今は、開発担当の執行役員を、務めさせて頂いております」「宜しければ名刺交換を!」「子細は、先生と我が社のノウハウですのでお教えできませんが、我が社の現状をお見せできる範囲でご紹介できますよ。よろしければご来社下さい」
反撃A(私より)
「かなり覚悟を決めて私に苦情をおっしゃりに来たと思いますが、その度胸がおありなら、何でもっと昔に、上層部に対して「3次元CAD導入を目的としての取組みでは、充分な成果が出辛い」と説得を試みなかったのですか?」
「貴社と同じ、中途半端な導入成果で満足しているケースの多くは、やはり導入推進者達の、「長い物には巻かれろ」「将来を睨んだ処世術、塩梅度合」「業者を巧く利用」的な典型的サラリーマン根性の結果が、現在の苦境を招いているのでは?」
「私に言わせれば、貴方の会社における諸悪の根元は、貴方自身にあるのではないですか?」
「そもそも3次元CADなどは、設計構想を具象化する、単なる道具にしか過ぎないはずです」「その道具のインフラ整備をして、オペレーションを覚えさせるだけでは、単なる2次元CADの置き換えに過ぎず、設計の質が上がるわけがないことくらい、解って取り組んで来たのでしょう?」
「後工程の生産準備や設計結果検証に、如何に3次元CADが有効活用できても、投資対効果の面から診たら、僅かな物(特に設計にとっては)でしかない、ことくらいは解っていたでしょう?」「後工程の皆さんは、大幅に生産性は上がったでしょうけれど」
「だから我々の取組みでは、“設計改革”を前面に打ち出して、その成果指針は、投資対効果一点に絞り込んだ“稼げる設計改革”を目指す訳です」
「**さんの会社に行かれるとき、私も同席致します」「その際出来たら社長以上層部の方々もお連れされたら如何ですか?」「皆さんを叱責されている上層部と一緒では、拙いですかね」