CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

コンカレントエンジニアリングはどの程度の製造業で成功しているのか


          私の診た範囲では殆どで失敗していました


■質問■

<前略>

弊社では、20年ほど前からコンカレントエンジニアリングに取り組んで参りました。しかし数年置きに実施される社長室による監査の都度、「コンカレントエンジニアリングがうまくいっていない、早急に改善せよの!」との診断結果を下され、たびたび早急なる改善を求められております。

特に今年度の診断結果では「現幹部メンバだけの責任ではないが、度重なる改善命令にもかかわらず、やるやるとこれまで散々言ってきたコンカレントエンジニアリングが一向に実現できていない。」「その結果製品開発段階における工程間摺り合わせ不良によるコスト未達や手戻り多発などで、事業収益は一向に改まらない。」「ここ4年、事業は大赤字の状態だ。」「これは全社目標に掲げる“強靱な企業体質確立“に背を向けている貴殿達の態度の結果である。」「2年以内に事業粗利率20%が実現できないときには、事業清算も含め今後の処置を考えるよう、経営会議に具申する。」「ただし必ずしもコンカレントエンジニアリングだけを持ってこの目標を叶える必要はない。」との厳しい診断結果が下されました。

この診断結果を受けて連休中より事業幹部全員が、休日返上で過去の経緯の洗い直し、今後の対応方法の検討を進めて参りました。

ところが経緯の洗い直しは割合スムーズに要ったのですが、今後の対応方法については議論百出の状況だったのにも関わらず、これと言った画期的な方策が浮かばず、全員途方に暮れる状況に一時陥っておりました。

一方、経緯の把握の延長上で、世の中ではどうなっているのかを正確に知ろうと、手分けしてインターネット上で参考になる文献や情報を探し回りました。

その結果先生がお書きになられた「コンカレントエンジニアリングによる設計の改革術」や機械設計誌の長期連載「グローバル競争を勝ち抜く “攻め”の設計改革講座」などに複数名が行き当たり、あわせて先生のホームページに様々な情報が満載されていることも知り、全員でこれらの情報を共有した結果、先生がお薦めされている「グローバル競争を勝ち抜く “攻め”の設計改革講座」で紹介されている内容で、取組みを進めようと言う結論に至りました。

そこで近日中にご来社頂き、これまで私どもが調べた経緯の顛末や現状の問題点などをお聞き頂き、今後の大よその進め方は?や先生にどこまでご支援頂けるのか?その際の費用は?などのお打ち合わせをさせて頂きたいと思いますが、ご対応頂けますでしょうか。

またよろしかったら、コンカレントエンジニアリングはどの程度の製造業で成功しているのかをお教え頂けますと幸いです。先生の連載をよく読めば分るはずですが、検討メンバーの一部に未だコンカレントエンジニアリングにこだわっている者が数名おり(これだけをうまく物に出来れば問題解決は可能と)、彼らをあきらめさせる目的です。

先生のホームページを探し回ったのですが、ビジターに許されているページでは、見あたりませんでしたので。

余談ですが、先生の御著書「コンカレントエンジニアリングによる設計の改革術」を出入りの本屋から購入しようとしたら、「絶版にはなっていないらしいが既に在庫なしで入手できませんと」言われてしまいました。また連載の機械設計誌のバックナンバーも「飛び飛びの入手しかできない」と言われ途方に暮れ、先生にお問い合わせを入れようと考えましたが、もしかしたらその前にと書庫を探して見たところ、何れも書庫にありました。特に機械設計誌はだれがやったが解りませんが、荷造り紐で括り「捨てるな!永久保存」の札がつけられておりました。

確かに記憶を辿ると、回覧で回ってきた機械設計誌で上記連載の一部を斜め読みをしていたと思いますが、当時は問題意識も薄かったためだと思いますが、すっかり忘れておりました。私たちの嗅覚の鈍さや感度の鈍さに反省ひとしきりです。

<後略>

■回答■

これまで200件を超える製造業の事業部署で、“現状診断”を行って参りましたが、私の著書で定義している一般的なコンカレントエンジニアリング態勢を、確立できていたところは皆無です。ルールや組織と言う体制面からは、半分以上でコンカレントエンジニアリング体制は出来ていたのですが、実際の効果を享受できない仕組(態勢?)で終わっておりました。要するに失敗状態です。

一方企業体質という面から、TQCの時代の良い文化を伝えてきていたところで、改めてコンカレントエンジニアリングなどと言わなくても、各工程間の役割分担、コミュニケーション、気配り、フォローなどが巧く動いていたところも、僅かですが存在いたしました。たったの5事業部署ですが。

当然私がご支援申し上げた数十社中の2/3では、フィジビリティスタディなどを通じて、コンカレント製品開発態勢が定着しておりますが、企業文化的に無理と判断した先では、クロスファンクション開発態勢を採用して貰っております。

尚、お手伝いの件は、今後私から提案させて頂きます、計画などに御納得頂けますようでしたら、喜んでお手伝いさせて頂きます。何れにしろ近日中に打合せにおじゃまさせて頂きます。


私どもが考える貴社"事業粗利率20%態勢確立"ご支援(アプローチ)の概要

  1. 弊社が貴社の大まかな現状を把握し、以降の取組をご提案申し上げる目的で、貴社の現状をお聞かせ頂く(役員・部長クラス)
  2. 弊社より貴社事業粗利率20%態勢確立に対する、大まかな全体計画と具体的なお見積もりの提出
  3. 貴社の現状の問題点を漏れなく明確に把握する、“現状診断”(予備診断→本診断→整理・分析・現状打破計画立案→ご報告)実施。具体的には、貴社の一線担当者及びそのマネージャ達に、直近5年間に行った開発案件の開発着手からクローズまでの顛末を事細かに聞き取るとともに、営業・ものづくりなどの部署から反面情報を聞き取る。聞き出したこれら情報を基に、200件を超える弊社の現状診断の分析ノウハウを駆使して、問題の本質を探り出すとともに尤も効率的と思われる改革案骨子を策定し、ご報告申し上げる。
  4. 確実に実行可能な実施詳細計画案を立案
  5. 実施詳細計画に従い淡々と体質強化への取組を行う

貴社事業粗利率20%態勢確立ご支援で必要となるおおよその費用(別途詳細見積もりを行わせて頂きます)

  1. 100万円〜200万円〜(旅費・実費・消費税別途)
  2.  1に含む
  3. 2,000万円〜(旅費・実費・消費税別途)
  4.  3に含む
  5. 2,400万円/年〜(旅費・実費・消費税別途)

ご支援の所用期間(貴社の現状実態により大幅に見直しが必要となる場合があります)

  1. 2〜3日
  2. 最短1週間
  3. 3〜8週刊
  4. 2〜4ヶ月
  5. 2年