<前略>
弊社でも、他社同様若手設計者の質低下に悩んでおります。試作段階での不具合が頻発し、さらにそれを解決するために、モグラ叩き的な試行錯誤を繰り返すと言う、最悪な、質の高い設計からは、ほど遠い状況に陥っております。さらに始末の悪いのは、中途半端なまま量産出図期限を迎え、未だ煮詰め切らない状態での見切り発車を余儀なくされるという、悪循環が常態化しております。
当然のこととして、生産準備段階での膨大な物づくり都合による設計変更要求に始まり、量産出荷後は、他の稼ぎ頭商品の利益を消してしまうような大きな市場不具合を頻発する始末で、幹部層一同、これまで社員(設計者)教育を蔑ろにしてきた不始末を強く反省せざるを得ない状況です。
藁をも縋る思いで何か解決策はないかと、様々な専門家に意見を聞くと共に、インターネット上の情報調査を行いました。そして先生のホームページに行き着き、先日の閲覧会員登録に至った次第です。
そして幹部一同、先生が発信されている、高品質且つ高効率な設計部署を確立するための、様々な考え方を参考にさせて頂き、議論を繰り返した結果、先生が提唱されておられますフロントローディング設計を、弊社でも取り入れ、設計体質の改善と、若手設計者の質向上を図ろうという結論に至りました。
しかしこの厳しい時勢において、フロントローディング設計態勢確立までに5年、10年の歳月を費やしていたのでは、弊社そのものの存続も危うい状況で、短期間での態勢確立に取組まなければならないと思っております。
具体的な取組みへの目論見ですが、上記致しましたような極めて悪循環を続けている設計部署に対して、仕組み的な構造改革は即座に取ることが可能と考え、早急に先生のお考え方をベースに、仕事の進め方や組織体制の変更を行おうと考えております。
また、固有技術や継承技術の形式化、共有化は、先生の語提唱されておられます設計思考展開手法を導入し、最優先で行わせようと考えております。併せて保有する技術の、体系化、IT化も同時進行で進めるつもりです。
しかし一点思案に暮れているのが、CAE活用技術のノウハウ会得です。先生が仰られます予測設計に耐えうる雛形モデルの確立が、到底短期間では叶わないと思え、この部分をどうするかで、幹部一同、出るのはため息ばかりと言う状況です。
中には「恐らく先生は、先行する他社で構築した様々なノウハウを持っているに違いない、先生から我が社で使えそうなノウハウをこっそり取得できないのか?」などとの、非常識な案も出てくる始末です。
そこで、お答え頂きたいのですが、無理だとは思いますが、ほんとにこのような情報をご提供頂ける物でしょうか。また、上記致しました今弊社で取組もうとしている内容は、妥当な物なのでしょうか。
恐らく各所で先生のお出ましを願い、ご指導を賜ることになると思いますが、そのあたりの費用も含め先生からの指針を賜れますと幸いです。
<後略>
回答1、貴社における、取組み目論見の妥当性
まず貴社で目論んでおられます取組みですが、私の考え方をベースにして頂いておりますので、礎論としては、全く異論はございません。しかし私が紹介している他社で行った例を焼き直すだけの仕組み作りでは、巧く行かない可能性が大きくあります。
このような改革改善の取組みでは、貴社の現状を洗いざらい穿り出して、高品質且つ高効率な設計を妨げている患部を明確化した上で、その悪さ度合いに優先順位を付けたうえで、的確に悪さを潰し込んで行かないと、なかなか結果が出ません。全てをつまみ食い的に行った場合には、結局は徒労に終わるケースが少なくありませんので。
皆さんで、暗黙の内に合意している悪さは、恐らく外れてはいないと思います。しかし、これまでの私の経験では、多くの製造業で、悪さの現象面では把握できていても、その(原因となる)根底に潜んでいる体質的な悪さには、なかなか辿り着けておりませんでした。
恐らく、貴社が最大効率でこの取組みを実現するためには、弊社の現状診断を受診されることをお奨め致します。既に弊社のホームページをお読み頂いておりますので、その内容は説明致しませんが、恐らく貴社の場合ですと、期間的に2〜6ヶ月、費用的に2,000万円〜10,000万円をお考え下さい。
又診断以降実際の改革への取組みに対するご支援は、年間契約で1,560万円のパッケージコースをお奨め致します。本パッケージコースですと、年間訪問回数48日(1日7時間1日に満たなくても1回は1日とカウント)、年間ご来社指導回数6日(1日7時間半日(3,5Hr以内)単位で利用化)、年間お問い合わせ回数240回(15分で1回とカウント)がパッケージされております。
回答2、CAE活用ノウハウの短期間構築(雛形モデル入手も含め)
まず、「恐らく先生は、先行する他社で構築した様々なノウハウを持っているに違いない、先生から我が社で使えそうなノウハウをこっそり取得できないのか?」は、ご提供はできません。
当然の事として私ども技術士には、守秘義務が法律で課せられております。さらにそれ以前の、コンサルタントとしての道義的な常識からも、他社で会得した固有のノウハウや情報を、他に使い回しすることなど、到底許されることではありませんのでご容赦下さい。
一方私は、この20年来様々な製造業でフロントローディング設計確立の取組みや、設計者育成の取組みを行って参りました。さらにそれ以前の10年間は、IT販社のコンサルタントとして、今の延長上にある仕事をしておりました。さらにそれ以前は、某建設機械メーカで、CAE(当時はこのような呼び名はなかったが)を駆使して、新製品の開発に設計者として携わっておりました。
ですから、当然のこととして、貴社で短期間に“CAE活用技術のノウハウを短期間で会得したい”“フロントローディング設計に耐える雛形モデルを確立したい”と言うお話であれば、それらを最短で成し遂げるご指導を申し上げるノウハウは山ほどございます。
現に、これまで行ってきたフロントローディング設計態勢確立への支援の中では、真っ新な状態から、CAE技術の会得を短期間で行って頂いた製造業が、たくさんあります。貴社に置かれましても、このような流れの中で、CAE活用技術のノウハウを短期間で会得され、雛形モデルを確立されることをお奨め致します。
費用的には、上記したパッケージコースに含めて頂いて良いと思います。なお本パッケージコースを、一年を満たないで使い切ってしまった場合には、追加で順次パッケージコースをご契約頂く形で、ご利用頂けると幸いです。