CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

コンサルタント選びにはご注意を!


決して弊社を、選べと申しているわけではないのですが、世の中には?と思われる自称コンサルタントが少なくない。

私が専門としている、“設計改革”や“設計改革を目的とした現状診断(ヒアリング)”などに、はっきり言って素人としか思えない仕事をしている、自称コンサルタントを、度々見かける。そしてこれらが犯した不始末が、我が国製造業を弱体化させる一因となっている、驚くべき事実がある。

昨日(2011年10月6日)も、某CAEソフトのユーザー会で、国内某大手事務機器メーカの、設計改革責任者が、「コンサルタントの言うことは嘘っぱちだ」と言う趣旨の、プレゼンテーションを行っていた。確かに講演者が頼んだコンサルタントは、嘘っぱちしか言わなかったのだろう。又意見を求めた“専門家”も、講演者の意に添うアドバイスを、してくれなかったのだろう。

しかし話しをよく聞いていると、そのコンサルタントに“嘘っぱちを”を、言われている時期は、2000年以降の話しである。そしてその時期から様々な試行錯誤を繰り返しなから、これまで該当社内で解消出来なかった問題点を、自力で解決してきたと紹介していたが、全く同様な課題を、弊社顧客と弊社は、その時期以前に、粗々ながらも、それぞれのソルーションを編み出し、既にその課題を乗り越え、その結果を出していた。

さらに2000年当時には、既に真のフロントローディング設計へのアプローチ方法、設計の“手戻り後戻り”や、試作現場での“造って・壊して・考えよう”の多くを根絶出来る、即ち試作出図後の設計変更、量算出図後の説計変更を、極限まで削減出来るアプローチ手法を、既に様々な講演会や「機械設計」誌などのメディアに、私の手により公表していた。

何故アンテナを高く上げ、我が国製造業の、“設計改革”への取り組みを、真剣に調べ、幅広く意見を聞き、アドバイスを求めてこなかったのだろうと、極めて疑問に感ずる。

余談だが、たまたま2000年当時、私の“設計改革を目的とした現状診断(ヒアリング)”を受け、その後5年以上に渡り、様々な改革への取り組みを行った際の、客先メンバーと、懇親会会場で出会った。そして「何を今頃」と言う話題で盛り上がった。

ちなみにこの客先では、3次元CADの本格導入は、時期尚早と取りやめを行わせ、フロントローディング設計に必須となる、シミュレーション技術の徹底定着に取り組んだ。

シミュレーション技術と言えば、NASTRANやANSYSなど、CAEカテゴリーの操作技術を思い浮かべる方も多いだろうが、これらは当然として、それ以上に設計者の思考過程を論理化し、設計情報を共有化出来る、設計思考展開手法のマスターや、最新のテスティング技術、計測技術などの、徹底導入を行った。

生憎、この客先は、昨日の講演にもあったが、デジタル化などの、時代の流れの中で、苦境に陥らざるを得なくなり、現時点では画期的な成果を出したとは、言い難い。

しかし、そのほかで私が手がけているケースの殆どでは、このリーマンショックの荒波をかぶっているのにもかかわらず、幸いにして年度収益を、赤字に陥らせたところはない。

話しを戻すが、昨日の講演に紹介された、3次元CADコンサルタントの「貴社の設計者のスキルは低すぎる、3次元CADの操作を徹底マスターしないと、3次元CADの定着などあり得ない」などという発言は、論外だ。

恐らく真の設計を知らない、3次元CAD販社の、自称コンサルタントの戯れ言だと思うが、呆れて物が言えない。

そもそも、3次元CADなど単なる道具でしか過ぎない。3次元CADを駆使出来たからと言って、それだけで、本当の意味での良い設計など出来るはずがないからだ。これはどの様な特性を持った製品設計でも同じはずだ。

にもかかわらず、上記コンサルタントの発言であり、その発言を真に受け、四苦八苦した講演者達の取り組み姿勢は、私に取っては極めて不満足だ。なぜなら本当の意味での“効率の良い設計”、“質の高い設計”を、実現するため必須な要件から、余りにも的はずれな取り組みとしか見えないからだ。

その後講演者は、私が言う“設計ナレッジ改革”に、相当する部分に気付いたようだが、少なくとも講演で紹介された内容では、詰めが甘い。

設計の基盤となる設計情報は、講演で語られたほど、薄ぺらい物ではなく、冷徹までに論理的に詰めなければならない物だ。だから私は“設計思考展開”手法を提唱してきたし、“設計ナレッジ改革”への具体的な取り組み方法を、商売を抜きにして公表してきた。

もし講演されたご本人が、本コメントに気付かれた場合には、このサイトにある私の発信と、私の著作物を、隈無くお読みになることをお薦めする。もし必要とあれば、私に何なりと疑問を投げかけて欲しい。

これまでの10年間、極めて大きな回り道を犯してしまったかもしれないが、今後短期間で、講演者の所属製造業が、理想的な方向に、変革出来るチャンスになると考えるので。