＜前略＞
弊社は、弊社顧客の中国進出に合わせ１０年ほど前から中国生産拠点を設けております。ただし特殊な加工技術を用いているのと、その技術に属人性があるため、主要部品の生産は、国内でこれまで行っておりました。そして現地の拠点は、顧客のＪＩＴ要求に応えるための備蓄倉庫的な意味合いで、国内では様々な規制で厄介な塗装などだけを、現地で行う工夫を講じて参りました。
しかし最近、弊社の加工技術に現地当局が目を付けたらしく、通関の意図的なサボタージュなどが露骨に行われることに合わせ、執拗に特殊加工工程を現地人スタッフに技術移転するよう、陰に陽に圧力を受けるようになって参りました。
しかし当社の加工技術は、先生ならおわかり頂けると思いますが、一朝一夕で技術移転できるような代物ではなく、決して好ましいわけではないのですが、徒弟制度的な時間をかけた伝承過程が必要で、短期間で表面的な技術を会得し、より高給を求めて他に自分を売り込む様な体質が強い現地人では、とても技術移転などできないと考えております。また仮に技術伝承ができても（無理だと思いますが）、他に行ってしまったのでは、弊社は、持ち出しだけで全くメリットがありません。
しかし、このままの状況を続けることは、いずれは客先にも迷惑をかけることになり、ほとほと困り果てております。
そこでお願いですが、様々な製造業のご支援をなされておられる先生なら、弊社と同じような状況を経験されておられるのではないかと思い、今後の弊社の進むべき道をご指導賜れたら幸いです。
＜後略＞
まず最初に行うべきは、貴社クライアント上層部に、事情を洗いざらい打ち明け、打開方法を探るべきです。
貴社クライアントに取っても、貴社技術は、必須の技術であり、他に取って代われる物がないから、貴社の現地拠点設置を要求している筈です。そもそも部品加工を現地化できるようなレベルの物は、既にその殆どを現地化しているはずです。
それだけ貴社技術は、貴社クライアントにとって貴重な物であり、必ず貴社が今回行おうとする取組みに、協力を惜しまないはずです。しかし購買の課長クラスでは埒があかないはずで、トップクラスに相談を持ちかけるべきです。
さて、過去の私の経験では、このようなケースの場合に、＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊、＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊、＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊るケースがあります。その他＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊例もあります。
いずれにしろ、貴社クライアントの協力さえあれば、貴社部品の装着形態（現地で組み込まなくても済むような）などの設計変更を含め、様々な手を打てるでしょうし、無為な加工技術の現地移転など行わなくて済むようにできると思いますので、頑張ってください。