<前略>
弊社では、世の中の流れと、様々な販社の、しつこい売り込みに負け、10年前に3次元CADの全面導入を行いました。導入に際しては、先生のご著書や執筆物、さらには貴社セミナーなどを参考にさせて頂き、SolidWorksを選択致しました。
その際には、アンケートシートに記入致しました質問事項に、丁寧なご回答ありがとうございました。実は、先生のご回答を改めて読み直してみて、お問い合わせをさせて頂きました。
先生からのご回答には、弊社のような「製品開発形態と製品構造・形状を扱う製造業では、3次元CADを導入したからと言って、必ずしも大きなメリットが得られるか否かは甚だ疑問である」とのコメントを頂いており、そのあたりを明確にするために、貴社の「現状診断」を受診することをご提案頂いておりました。
しかし残念ながら、ご呈示頂きました診断費用の高さがネックとなり、当時の上層部の許可を得られず、先生に診断をお願いすることなく、我々独自に、検証作業を行うことでお茶を濁しました。当然、先生のご忠告ほか、様々なアドバイスに重きを置いた上での検証作業ですが。
それから十年、私が開発の責任者に就いた事と、昨今の厳しい経営状況からの、管理部門よりの声を受け、3DCAD投資対効果を、徹底的に検証を行いました。
その結果は、まさに先生が予測された通りの内容で、経営的な指標からは、全くメリットを得られていないと言う結末となりました。特に開発期間の短縮や、CADデータの有効活用による重複作業の防止などが、当初予定した効果の半分にも満たず、我々も思わず天を仰いだ結果でした。
しかし全てが駄目だったというわけでもなく、2Dでは容易にできた誤魔化しが、容易にできないことが幸いして、図面部分での設計品質の向上は、確かに得られておりました。さらに、3DCAD導入までは、文化の無かったCAEによる、物づくりを行う前の設計検証作業も、ある程度行われるようになっており(開発期間の短縮には、なぜかつながっていませんが)、この面からも、成果を感じられました。
話は変わりますが、昨今の円高は、弊社の経営を苦しめております。特に輸出製品については、品質的には追従できる海外競合製品が無いとはいえ、円高分を容易に値上げする訳にも行かず、幣社の収益状況をジワジワと悪化させております。
国内での雇用確保という使命はあるのですが、遅ればせながら、少なくとも中級以下の輸出製品は、タイやベトナムなどの海外生産に移行しようと、検討作業に入っております。海外投資コストを押さえると言う意味合いでは、70円台にある間に、現地での用地確保や工場建設を済ませてしまおうと言う声が、経営層の大勢を占めております。
結果、移管製品の現地化や現地開発などの必要性が生じており、この面からの開発部門側の態勢準備が必要とされ、直近での決断を迫られております。
そこでお願いですが、十年前にご提案頂いた「現状診断」に合せて、海外移転を受けた態勢確立のための診断及び、態勢確立計画案提示を、先生にお願いできますでしょうか。
合せて、その際の費用及び期間増加分もお知らせ下さい。10年前の診断範囲分は、その後物価などかえって下がっているくらいですので、10年前のお見積もり頂いた金額でよろしいですよね?
<後略>
ご無沙汰しております。
今更申しても仕方ありませんが、10年前に、私どもの診断に費用を投下頂いて居れば、きっと安くついたと思いますし、この10年間で様々なメリットを、享受頂けたと思います。残念です。
さて、既に**さんは、覚悟をお決めになられているようですが、原点に戻って、予見抜きでの、冷静な将来計画立案が、必須で求められていると思います。
具体的には、貴社にとって3次元CADは本当に有益なのか、10年もの間3次元CADを使ってきた現状から、2次元CADに引き返すことが現実的なのか、では大枚を投じて導入してしまった3次元CADを、無理なく有効に活用できる方法は無いのかなどを、貴社の現状と照らし合わせながら、ご提案させて頂きます。
それ以上に、貴社における商品企画から製品開発、生産投入、量産、出荷、販売、アフターサービスまでの、一連の取組みの中で、開発効率や収益性低下を招いている原因を、遍く洗い出し、最大効率での物づくりを実現する方策を、提案させて頂きます。
費用につきましては、10年前の診断範囲分は、10年前の見積価格で対応させて頂きます。
また、海外移転に関してのご支援も、私ども十八番の仕事ですので、喜んで対応をさせて頂きます。その際の費用は、一度お邪魔させて頂いて、ある程度の概略診断(診断のご依頼を頂ける事を前提に、無料で実施させて頂きます)を、行ってからの費用提示にさせて下さい。