CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

貴社に設計改革のコンサルをお願いした場合どれくらいの費用がかかるのか、その投資対効果は



■質問■

<前略>

この大不況も近い内(2〜3年以内)には収まり、弊社にとっては次なる過酷な進展を余儀なくされると予測しております。そのとき、ワールドワイドの競合他社に先駆け、猛ダッシュで先頭を走るためには、強力な製品開発力を備え、一気に市場を席巻できる商品力と商品供給力が必須と考えております。

弊社でも、この不況期、無闇に新商品を市場投入しても無意味と、大幅な再発案件の削減を行っており、開発業務と言う面では相当量の余力を残しております。ですから今の内にこの余力を生かし、しっかりとした開発力固めの態勢作りを行っておきたいと考えております。ある意味、苦境をチャンスにして、一気にワールドワイドマーケットにおける弊社のポジションを、確固たる物にしようとする考え方です。

このためには、能書きではない、真に強力な商品力と商品供給力を生み出す力を蓄える必要があり、弊社の製品開発部署や物作り部署の徹底した体質強化を行いたいと考えております。

しかし、この体質強化なる物が難題で、弊社では私が入社して以来30年以上、毎年何らかの体質強化策が打ち出され、年度前半は皆何となくその取組につきあっているのですが、年度終わりには「そんな話もあったな」などとすっかり忘れ去られている様な悪循環が続いてまいりました。

この30年来の取組が全く無意味であったとは申しませんが、今回私共が目論んでいる取組は、このような弱い取組では絶対にうまく行かないとも考えております。

そこで私が持つ系列会社や、学会・業界団体など様々な人脈から、弊社の思いを実現してくれるような指導者はいないかと探し回った結果、突然のお問い合わせを御貴殿に行わさせて頂いた次第です。

簡単に、弊社の現状及び過去5年間の本件に拘わる取組を・・・・

<中略>

・・・・以上かなり大まかな情報かとは思いますが、提示させて頂きました情報の範囲で構いませんので、以下にお答え頂けますと幸いです。詳しくは当方の態勢が整い次第打合せを行わせて頂き改めて見積もりをお願い申し上げますので。


質問事項==>
弊社から貴社に設計改革のコンサルをお願いした場合、どれくらいの費用と期間が掛かり、その投資対効果は如何ほどなのか。

<後略>

■回答■

直接お話しさせて頂き、私からの様々な確認点をお問い合わせさせて頂かなければ、確定的な事は申せませんが、現在頂いております情報をから判断すると、貴社のニースは私共のシーズと完全にマッチングすると思われます。まさに私が最も得意とするコンサル案件ですし、現時点で数社貴社と同様な目的での取組をご支援申し上げております。

さてお問い合わせ頂きました費用と期間ですが、これ貴社の状態とニーズを子細に把握させて頂かないと断定的には申せませんが、恐らく下記のようになると思います。

また投資対効果につきましては、業種・企業規模・それぞれの現状ポテンシャルなどにより大きく差が出ますが、私共が常々各所でフロントローディング設計の効果として紹介しておりますA社さんの例を図1、図2に示します。但し掲載するグラフの数値は、A社さん御監修の上、様々な所に手を入れておりますので実際の数字ではありません、これをご理解頂いた上でご覧頂きたいと思います。

1 ご支援の流れ

  1. 貴社の大まかな現状をお聞かせ頂く(2〜3時間)
  2. 大まかなご支援の全体計画とお見積もりの提出
  3. 現状診断(予備診断→本診断→整理・分析・体質強化計画立案→ご報告)(3ヶ月〜)
  4. 実施詳細計画立案(3ヶ月程度)
  5. 体質強化実施支援(必要期間)

2 それぞれの費用概算(3 ご支援の流れの番号に対応します)

  1. 来社頂く場合は無料、おじゃまさせて頂く場合は旅費実費(交通費・宿泊費・日当)
  2. 無料
  3. 1200万円〜
  4. 300万円〜
  5. 1200万円/年〜

3 現状診断3ヶ月間〜の内訳



4 投資対効果の例(A社様)



図1 年次毎投資金額と基準年度に比較した削減効果

取組開始後3年間はその準備期間でもあり削減効果は全く生じていない。3年次より徐々に削減効果が現れ、取組の水平展開に伴い急激に削減効果が増えており、取組が行き渡ったところで、毎年度コンスタントに削減効果を享受している。
尚投資金額中の人材育成費用や技術棚卸費用は、本来開改革への取組を行わなくても定常的に必須の施策として取り組むべき施策であり、図2も含めこれらの費用は割り引いて全体を見るべきだと考える。
本例でも投資金額に対して数倍の効果を享受できているが、筆者が過去取り組んだ案件の中では、本例は投資対効果が少ない方の例だと言うことを承知置き頂きたい。





図2 年次毎投資金額と対象機種毎粗利合計

取組開始後3年目までは新製品が発売されておらず、当然粗利は生じていない。4年次より対象機種が増え又その商品性の良さもあり2002年までは急激にその粗利合計が伸びた。2003年には鋼材価格高騰などのマイナス要因が続き粗利そのものは減少したが、堅調にその収益を上げている。