CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

派遣のCADオペレータがいなくなったら設計業務が立ちゆかなくなったなど、一連の導入施策に何か根本的な間違いを犯しておりませんか?



■質問■

<前略>

初めてお便り(苦情の)を差し上げます。

かつて貴殿が監修した、弊社への提案書に記載されていた貴殿のメールアドレス(*****@******.**)に、メールをしたのですがそのようなアカウントはないと返送されてきます。同提案書で貴殿の住所や電話番号も分るのですが、電話ですとこちらの意図がうまく伝わるかが心配ですし、改めて書簡でも仰々しすぎと思い、メールに致したのですが、うまく送れませんでした。

そこでインターネットで貴殿のメールアドレスを探したのですが、全く貴殿のメールアドレスは開示されておらず、幸い貴殿のホームページに「お問い合わせ」欄がありましたので、こちらに苦情の申し入れを行わさせて頂きました。本題は後述するとして、貴殿のようなお立場でメールアドレスを開示しておらないのは、どうかと思います。苦情などを拒否する姿勢なのでしょうか。

さて、弊社では10年ほど前、某販社が提出した貴殿の監修された提案書(“有泉事務所”監修とある)を採用し、大々的に3DCADの導入を行いました。同時にPDMの構築なども行い、3年あまりで10億を超える投資を行いました。当然貴殿が提案書を監修しておられるので、当社の状況は販社から報告がなされていると思います。

確かに提案書は、一分の隙もなく、包括的に当設計部の方向性を端的に示していたため、その道の素人である我々は、その提案を全面的に信じ販社営業の薦めるがままにその導入を行いました。

一応、導入から一昨年頃までは、販社が派遣してくるCADプロフェッショナルやオペレータの力を借り、それなりに効果を上げつつあったと思いますが、ここに来てCADがネックになって、設計業務そのものが滞る問題が多発しております。

原因は急激な景気悪化に伴い、大幅な費用削減を余儀なくされ、販社からの派遣を切った事が一義的な原因であることは分っておりますが、設計者達がCADをまともに操作でき無いばかりか、もとのCADデータがどのような構造になっているかがオペレータ毎に区々で、一からデータを確認し直すような全く無駄な作業に明け暮れております。

しかもフロントローディングの切り札であったはずのCAEも、不可解な答えを出したり、うまくモデルが作れなかったりで散々な始末です。

一方PDMも、販社から派遣された数名の保守要員の力を借り、一応スムーズな運用を立ち上げたのですが、派遣されていた保守要員を切ってしまったことでトラブルが出たとき殆ど手に負えない状況に陥り、派遣を切る直前以前で問題の無かった範囲にその利用範囲を定め騙し騙し使っている状況です。

貴殿の監修が、販社からオペレータ達を派遣し実業務を担わせる事を前提に行われていたとすると苦情の言いようが無いのかもしれませんが、当社の現状はあまりにもお粗末です。

当社の状況を引き起こした原因の一端には、貴殿の責任も少なくないと思います。これを前提に以下の質問にお答え下さい。


@販社からの派遣を受けずに3DCADによるフロントローディング設計を短期間で確立したい。
  貴殿の全面的な支援を廉価でお願いできるか。例えば一ヶ月150Hrを100万で。
A上記費用の範囲で、今後の方針立案・スタッフ育成・実施支援をお願いできるか

以上、速やかなる回答を求めます。

<後略>

■回答■

全く失礼なお問い合わせですね。当方に全く身に覚えのない言いがかりです。

まず、貴社も貴方も私は全く承知しておりませんし、問題の販社と組んで仕事を行った記憶もありません。また開業以来の私共の売り上げ先にも、問題の販社の名前はございません(私共の管理システムでは、一発で検索できます)。もしかして問題の販社に騙されたのではないですか。

監修者とされた私若しくは弊社スタッフが、皆さんの前に一度も顔出しをしないなど、不審に感じませんでしたか。そもそも監修するにあたり、貴社の状況を直接全く把握せずして監修するなどと言うことは、あり得ないと思いませんでしたか。

私共がこれまで接触した販社関係のデータベースの中には、確かに問題の販社名で数名の登録記録がありますが、販社名も変わっており(某社に吸収されて)該当者は全て退社などで、現在私共のデータベースでは、全員所在不明となっております。

仮に問題の販社と私共が一緒に仕事をしたことがあれば、私どもの販社関係のデータベースからパートナーのデータベースに移動してあるはずで、私以外の私どもスタッフも関わりはなかったと承知致します。


>10年ほど前、某販社が提出した貴殿の監修された提案書(“有泉事務所”監修とある)

該当案件に全く記憶がございませんし、弊社開業以来全ての発行文書(共同発行も含め)控えは保存してございますが、該当する文書は私共には存在致しません。

まず弊社開業の18年前から現在に至るまで、私共がCAD販社の提案書を監修するなどの行為を行ったことはありません。販社の依頼を受けて、客先の導入計画や立上げ支援を行った事例は、少なからずありますが、その際の提案書や計画書などは全て私共の名前(有泉技術士事務所 技術士(情報工学)有泉徹)で提出しております。

金銭的なやりとりは販社経由になるケースもありますので、私どもから販社に請求を行い、販社から客先への請求という流れはございますが、その際も販社請求書の請求項目には必ず「有泉技術士事務所、診断報告一式」等と一般的には記載頂いております。

そもそも「(“有泉事務所”監修とある)」有泉事務所とは、私共有泉技術士事務所、若しくは有限会社有泉技術士事務所とは別人格なのではありませんか。

“有泉事務所”ですから私文書偽造には該当しないかもしれませんが、明らかに貴社に対する錯誤を用いた詐欺ではないのですか。貴社にとっては、もう時効でしょうけれど。

また、“提案書は、一分の隙もなく、包括的に当設計部の方向性を端的に示していたため”も信じられません。よほど腕の良い説得力を持った詐欺師が、問題の販社にはいたのでしょうか。是非その提案書を見てみたい物です。

しかし貴社の現状から判断すると、問題の提案書は“ダメ”な代物ではなかったのでしょうか。貴社に大枚を費やさせ、その結果が今の体たらくでは、そう考えざるをえません。さらに問題なのは、その提案書を“一分の隙もなく”とありがたがった皆さん自身です。恐らく私の著書などをまともにお読みになったり、私のセミナーに参加などされたら、問題の提案書が“似非物“であることに気づいたはずです。皆さんの努力の無さと目の節穴さが現状を招いているのではないかと思えてなりません。


>貴殿のようなお立場でメールアドレスを開示しておらないのは、どうかと思います。
>苦情などを拒否する姿勢なのでしょうか。

「苦情などを拒否する」などとんでもございません。私共は“あえて苦情を仰って頂けるお客様ほどありがたいお客様”との姿勢で、開業以来ビジネスに臨んでおります。普通は苦情など申されずに離れてゆく物ですから。

しかし、ネット上にメールアドレスを晒すことは、スパムメールの餌食になると言うことです。8年程前までは、私どものホームページには、代表メールアドレスを掲載しておりましたが、大量のスパムメールの被害を受け、メールアドレスの掲載を止めるとともにメールアドレスの変更を行いました。このような事情で、以前私が用いていたメールアドレスでは、アカウント無しと言うことで、メールが送れません(ところで(*****@******.**)は以前私が使っていたメールアドレスとも違います、問題の販社のドメイン名ですよ)。

そして、その代りとしてお問い合わせ頂いた問い合わせフォーム欄を、私どものホームページに設けるとともに、電話番号やFAX番号を開示致しております。

さらに、開業以来これまで私共と接触頂いた全てのお客様(お気に召さず出入り禁止になった方も含め)には、ご本人から拒否の連絡を頂かない限り、年賀と暑中見舞いの挨拶状を送らせて頂いております。その中には必ず最新のメールアドレスなどを記入してありますので、私共への苦情も含め、皆さんが私どもにお問い合わせを頂く際お困りになることはないはずです。


>@販社からの派遣を受けずに3DCADによるフロントローディング設計を短期間で確立したい。
> 貴殿の全面的な支援を廉価でお願いできるか。例えば一ヶ月150Hrを100万で。
>A上記費用の範囲で、今後の方針立案・スタッフ育成・実施支援をお願いできるか。

道義的な責任は全く感じませんが、費用の問題を除き、ご支援を申し上げることは吝かではございません。

どうも貴社の状況は、導入以前からボタンの掛け違いが始まっているようです。なぜ派遣のオペレータ達がいなくなったら、設計者達はまともにCADが使えなくなるのですか。CAEが使えなくなるのですか。

私の常識と経験(過去160件を超える現状診断の経験など)では、貴社では、3次元CADやCAEを用いて設計技術力を向上させたり、フロントローディング設計を実現するための、踏むべき手だてを踏んでいないと診ました。踏むべき手だてを踏んでいれば(例え1%でも肝要な部分を押さえていれば)、貴社で起きているような状況に陥る筈がありません。

そもそも例に挙げられた、貴社の現状でお困りになっている部分は、その殆どが、設計者の設計力の問題と、技術情報の共有化の問題なのではないですか。そしてこれらは3次元CADやCAEを云々する以前に押さえなければならないポイントと考えます。

本来貴社内で的確に対処すべきこれらの問題に、全く手が付けられておらないのにも拘わらず、販社から派遣されていたCADプロフェッショナルやオペレータ達が、貴社の設計者達の無理難題に応え、何とか問題点を顕在化させずに凌いでいたのではないのでしょうか。

たぶん、あえて顕在化させなかったのは、販社側の戦略だったのでしょう。皆さんが騙されるほどの、もっともらしい提案書をでっちあげることができる、悪知恵がある販社です。貴社の問題点など最初から把握していながら、あえて顕在化させずに貴社を食い物にしていたのかもしれませんね。当初導入費10億以外に、派遣者達を返す前まで同等額以上の費用を費やしているのではないのですか。

これを機会に原点に戻っての仕切直しをお奨め致します。私どもに適正価格で支援をご依頼頂ければ、私どもが持つ経験とノウハウを駆使して、最短期間での仕切直しをお手伝い差し上げます。

参考情報

私どもが考える貴社仕切直しアプローチ概要

  1. 弊社が貴社の大まかな現状を把握し、以降の取組をご提案申し上げる目的で、貴社の現状をお聞かせ頂く(役員・部長クラス)
  2. 弊社より貴社体質強化に対する、大まかな全体計画と具体的なお見積もりの提出
  3. 貴社の現状の問題点を漏れなく明確に把握する、“現状診断”(予備診断→本診断→整理・分析・現状打破計画立案→ご報告)実施。具体的には、貴社の一線担当者及びそのマネージャ達に、直近5年間に行った開発案件の開発着手からクローズまでの顛末を事細かに聞き取るとともに、営業・ものづくりなどの部署から反面情報を聞き取る。聞き出したこれら情報を基に、160件を超える弊社の現状診断の分析ノウハウを駆使して、問題の本質を探り出すとともに尤も効率的と思われる改革案骨子を策定し、ご報告申し上げる。
  4. 確実に実行可能な実施詳細計画案を立案
  5. 実施詳細計画に従い淡々と体質強化への取組を行う

貴社仕切直しアプローチに必要となるおおよその費用(別途詳細見積もりを行わせて頂きます)

  1. 50万円〜200万円〜(旅費・実費・消費税別途)
  2.  1に含む
  3. 1,800万円〜(旅費・実費・消費税別途)
  4.  3に含む
  5. 1,200万円/年〜(旅費・実費・消費税別途)