<前略>
弊社ではこの30年来様々な視点からの設計標準類の整備、設計アプローチ方法の標準化、更にはルーチンワーク的な設計業務の自動化などを推進して参りました。特に3D−CADを導入した95年以降は、ルーチンワーク設計業務の自動化に拍車が掛かり、大幅な設計工数の削減に成功しております。
そしてこれらの設計標準類や3D−CADを用いて構築した自動設計システム類は、技術の変革や製品が求められるニーズの変化に併せて、絶えずメンテナンスが必要とされ、それぞれのテーマに設計経験を持つベテラン勢を中心に、彼らが持つ経験やノウハウに頼りながらのメンテナンスを行って参りました。
しかし昨今、当然の成り行きですが、この頼りにしておりましたベテラン勢が大幅に減少し、メンテナンス業務に大きな支障が生ずるようになって参りました。
昇進して設計部署を離れた方々は、現在のポジションの業務が手一杯でとても我々につきあってくれる暇がありません。また次々と定年年齢を迎えてゆく方々は、65歳までの雇用延長を強いて選ばず、第二のチャレンジや悠々自適の生活を選ばれるケースが多く、長くても2年程度の嘱託勤務が精々です。
このような状況下ですので、残された我々年代の一応ベテラン勢も含め若手設計者を中心にしたメンテナンス態勢に移行しようとするのですが、誰一人として一から設計を行ったことがないテーマの比率が極めて多く、四苦八苦している状況です。
やむを得ず、役員になっている方に休日一日の時間を割いてもらったり、ボランティア活動に没頭されている方の時間を割いてもらい、我々の持っていない経験やノウハウを補充してもらう形で、現状を凌いでいる有様です。余談ですが、我々が手助けしてもらいたいと思う方々は、案外悠々自適で時間が余っていると言う状況ではなく、それぞれ有意義な定年後を過ごされているようです。
反省してみるに、設計標準類や自動設計システム類にこの20年来頼りすぎ、一からそれぞれのテーマを論理立てて設計に取り組んだことのある設計者の育成を怠ってきた事と、設計標準類の裏側にある、それぞれの製品が持つ論理的なあるべき設計方法の体系化ができていなかったところに、全ての原因があると考えております。要するにこの肝心要な部分をベテラン勢に頼り切って、継承を行うことを怠っていたと言えるでしょう。
そしてこの現状を打破すべく、何かよい手だてはないかと、様々な文献やインターネット等を探し回った結果、たどり着きましたのが、先生が提唱されておられます「設計思考展開」です。御著書を拝読する限りまさに我々の現状打破に打って付けの手法かと考えます。
そこで質問ですが、「設計思考展開」を用いて、弊社のような状況打破を行ったご経験をお持ちですか。また差し障りのない範囲で構いませんので、その際の業種や企業規模もお教え頂けますと幸いです(企業名部署名などが分ればベストですが)。
また先生にご支援を仰いだ場合には、どのような導入の流れと費用になりますでしょうか。
<後略>
典型的な仕組みの確立しすぎ、頼りすぎの問題発生例ですね。
貴社と同じような状況を打破する取組の経験は、数多くございます。設計技術力の向上や確実な技術継承の実現という切り口で申せば、これまで私が手がけた殆どの製造業様が当てはまると言っても過言ではありません。
また貴社の現状を打破する手法の一つは、間違いなく「設計思考展開」を活用した設計技術力向上の取組や、技術継承の実現だと考えます。
お手伝い先の会社名や部署名は勘弁頂きたいのですが、企業規模はその殆どが超大手か大手になります。業種的には私どもの会社案内を参照下さい。
貴社に私どもがご支援を申し上げる際の、導入の流れと費用ですが、概ね以下のような流れと費用になると思います。
ご支援の大まかな流れ
それぞれの費用概算
現状診断3ヶ月間〜の内訳