CAE/CAD/CAM CONSULTANT 有泉技術士事務所

開発着手段階からのFS徹底で円高90円は難なくクリアーできる(フロントローディングでコストの作り込み、開発ムダの徹底排除、品質ムダ(クレーム費)の徹底排除により)



■質問■

<前略>

以前から先生にはきつく言われておりましたが、いよいよ来るべき物が来てしまいました。
先生からは

しかしサブプライムの問題が勃発する昨夏までは、私たちは正直先生のお話をまともに受け止めておりませんでした。このため折角取得しようとして取り組んだFS(フィジビリティースタディ)を用いたフロントローディング開発にも真剣に取り組めず、結果として「真剣に取り組めないなら止めましょう」と言う先生のお叱りを受けると言う結末で、中途頓挫の形で終わってしまいました。

さらに昨夏のサブプライム問題の発覚時点で直ぐ手を打てばよかったのですが、「未だ大丈夫だろう・・」と、辛い取組を先延ばしにし、その結果今日現在に至っております。

「今更何を!」「困ったときの神頼みか!」等と先生からは、又お叱りを受けることは重々承知でのお願いとお問い合わせですが、かつて頓挫した“FS(フィジビリティースタディ)を用いたフロントローディング開発”を早急に立て直す事が可能でしょうか?またその際のご支援を頂けますでしょうか?

<中略>

先生にご指導して頂いておりました頃会長でした**は、今は顧問をしているのですが、先般全社幹部が集まって行われた緊急会議の席で、「先生にご指導を受け円高90円態勢はとっくにできていたのではないのか?」と**から指摘を受け、当時の開発・技術本部長だった現社長以下、我々推進関係者は会議の参加者達から厳しい糾弾をうける結果となりました。

そして、その席で「直ぐ先生をお呼びして緊急取組を行え」という結論となり、不躾なお問い合わせをさせて頂いた次第です。

<後略>

■回答■

「今更何を!」と言うお答えを致したいところですが、今後は真剣に且つ最優先で“FS(フィジビリティースタディ)を用いたフロントローディング開発”態勢確立のために取り組んで頂けると言うことなら、全力でお手伝いさせて頂きます。

まず、今のタイミングから間に合うかですが、それこそ走りながら(実際の開発を通じて)“FS(フィジビリティースタディ)を用いたフロントローディング手法”を会得して頂く必要があります。準備無しのぶっつけ本番です。

しかし幸いなことに、皆さんが真剣に取り組んで頂けたか否かはともかくとして、この取り組みへのイントロの部分は既に済んでおります。背水の陣に立たされた皆さんの状況下では、皆さんの能力を持ってすれば、何とかなるだろうと判断致します。

但し、先般のお手伝いで私が皆さんに要求した全ての手法や成果を一気に取得しようとしても、如何に粒ぞろいの皆様でも消化不調に陥ることは必定と考えます。そこで今回(直近の取組)は、以下の4点に的を絞った取組にされるべきだと考えます(以下の4点でも充分に難しいはずですが)。

     
  1. 全世界が不況に突入した現状で、本当に売れて稼げる商品を、全社の知恵を結集して探し出し、開発段階で絶対に振れを起こさない開発仕様に落とし込む。
  2. 開発着手段階から徹底した製造コストの追い込みを行い、量産出荷時点で確実に利益の出せる構想設計を実現する。且つ開発の進行段階でも徹底したコストレビューを行い、確実に狙いを達成する。ワールドワイドレベルで今後の経済・生産・素材などの供給状況を的確に予測して、精度の高いコストレビューを実現する。
  3. 開発着手段階から徹底した設計品質の確保を実現する。開発途上〜製造段階〜出荷販売後までの商品の全寿命間で起こるであろう問題点を漏れることなく予測して、全てを事前に潰し込む。開発段階でのムダ排除、物作り段階でのムダ排除、商品出荷後のムダ排除を徹底して実現し、不況時代のコスト競争に耐えうる商品開発へと結びつける。
  4. ワールドワイドレベルで今後の経済・消費・購買状況を的確に予測して、開発した商品が的確に販売できる仕組みを確立する。

ご納得頂けますようでしたら、早速関係者の方々を集めて頂き、“FS(フィジビリティースタディ)を用いたフロントローディング開発”態勢確立再始動のキックオフの段取りを付けてください。

参加させるべきメンバーは、先の緊急会議の参加者全員と、中核で動いている全社のスタッフがまず必須です。また可能なら、国内はもとより海外の全出先や関係会社も含め全社員(現場のワーカーも含め)を、衛星回線などを通じて参加させてください。

尚このためには事前打ち合わせが必要と考えます。直近で私が動ける日は、来週の金曜日11月7日になります。当日は都内にてANSYSユーザーコンファレンスの二日目ですが、朝一番、私の教え子の発表を聞いたら後は抜け出すことが可能です。貴社東京本社でしたら午後一番で余裕を持っておじゃまできます。技術開発センターでしたら16時頃には何とか可能だと思います(当日はそちら泊りでゆきます)。