■回答■
フィジビリティースタディーは“旬でよく売れて稼げる商品”を的確且つ最短・最大効率で開発を行うために、商品仕様を固める前に徹底的にその成立性を確認する作業です。
ですからその検証項目は一般には下記のような項目が列記できます。そして、これらを自社が持つあらゆる情報を駆使して検証を加えると共に、具体的なデータに基づいた裏付けを一つ一つ付けながら、確かに間違いないと言うレベルにまで追い込無必要があるわけです。具体的なデータとは、例えばターゲットマーケットマーケットニーズを検証するに当たっては、ターゲットとする購買層へのアンケートやヒアリング調査などを、統計学に基づいた必要サンプル数実施して、その結果を統計処理したデータを指します。
表1 フィジビリティースタディーでの押さえるべきポイント
- ターゲットマーケットをどこにおくか
- ターゲットマーケットボリュームサイズどれくらいの大きさか
- ターゲットマーケットのマーケットニーズは
- そのマーケットで売り抜くためにはどの様な販路が最適で、本当に確保できるのか
- どのくらいの販売量を予定するか、対競合上本当に売れるのか
- 競合商品の顧客評価は、何が良くて何が悪い、次機種に対するリクエストは
- 自社従来商品の顧客評価は、何が良くて何が悪い、次機種に対するリクエストは
- “旬でよく売れて稼げる商品”基本仕様は如何にあるべきか(仮置き基本仕様)
- 仮置きした仕様は、本当にマーケットニーズに応えているのか
- 競合製品の仕様は把握しているマーケットニーズに対して応えているか
- 売価は幾らにすればよいのか、競合品の市場価格は
- 予定通り売れる場合の製造原価は幾らであればよいか
- 最悪の販売量しかないときの損益分岐点は
- 仮置き基本仕様での製造原価はいくらか(試算)・・最低限見積もりが出来るレベルまでの複数案の概略設計が必要になる
- 損益分岐点未達の場合は、無駄な仕様がないか、安く作る手はないか、安く調達する手はないか(損益分岐点を超えていても、ミニマムコストの追求は必要)
- 仮置きした商品仕様実現に対して、開発過程で障害となる可能性がある、自社に保有しない技術アイテム(他社パテントも含め)が無いか、あった場合はそれをどの様に乗り越えるか
- 仮置きした商品仕様実現に対して、“旬”を逃さない商品投入を実現するための開発期間は、物理的に本当に可能か、不可能な場合にはそれをどの様に乗り越えるか
- 仮置きした開発仕様で商品開発が行われた時に、効率の良い物作りという視点で、量産の垂直立ち上げや安定した量産の障害となるであろう、自社に保有しない製造技術や製造設備等が無いか、あった場合はそれをどの様に乗り越えるか
- 仮置きした開発仕様で商品開発が行われた時に、製品品質という視点で、量産の垂直立ち上げや安定した量産の障害となるであろう、自社に保有しない製造技術(製法特許も含め)や製造設備等が無いか、あった場合はそれをどの様に乗り越えるか
- 仮置きした開発仕様で商品開発が行われ、量産化され市場投入されたときに、本当に狙い通り売れるのかという視点での、ターゲットマーケットマーケットボリュームの読み違いや、マーケットニーズとの齟齬、競合商品の読み違いなどが無いか、あった場合はそれをどの様に乗り越えるか
- 仮置きした開発仕様で商品開発が行われ、量産化され市場投入されたときに、マーケットでの使用環境(気温・湿度・粉塵など)の読み違いや、客の使い方の読み違いなどで生じるであろうマーケットクレームを発生の危険性などが無いか、あった場合はそれをどの様に乗り越えるか
- 他
尚参加メンバーのあらましは、図1を参照ください。
図1 フィジビリティースタディーの進め方