質問 |
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回答 |
あの席で私が申しました「自己啓発」の言葉は、貴社の次のような現状に対しての問題意識が切っ掛けになっております。
貴社の若い設計者達を見ておりますと(若手の課長クラスまでもが)、先輩達が蓄積してきた設計技術をマスターすることだけが、彼らの目指すゴールと見えて仕方がありません。とにかく、一日も早く先輩達の域に到達することだけがその成長の目標になってしまっている様に私には見えてしまいます。
一日も早く先輩達に追いつくことも必要ですが、それが目標になってしまったのでは、組織としての成長はないはずです。
・一流の設計者”者として自分を如何に伸ばすべきか?
・自分は何に取組みどの様な技術を取得・強化すればよいのか?
・世の中の技術動向はどの様な状況にあり、自分の欠けている技術や知識何なのか?
・等
、数え上げたら限りのない面からの、本来なら若い設計者達が取り組むべきである“自己啓発”への意識不足を強く感じました。
このような若手が主力になった今、貴社の現状では従来の枠から飛びだした新しい発想を持った設計などは考えも及ばない状況なはずです。現にミーティングの席で皆様ベテランの方々の口からも、愚痴のようにこの現象が出ていたはずです。
ですから、本来なら20代の内にしっかり行っておかなければならないであろう自己研鑽が(担当する設計業務の枠を超えた範囲も含め)、日常業務の忙しさを言い訳に疎かにされている状況だと理解いたしました。
少なくとも、自宅でくつろいでいるときにでも、日経メカニカルなり機械設計なりの雑誌に目を通してさえすれば、当然知識として持っていて然るべき情報が、余りにも欠如しすぎております。この辺りの自己研鑽の努力があれば、例えばCAEへのチャレンジなど10年以上前に試みられても良いと思います。また3次元CADへのチャレンジも同様です。今の状況(体たらく)という事はないでしょう。
また統計的品質管理手法や品質工学手法でも同様です。意識を持ってしっかり外に目を開いていたなら、何らかの取組みがこれまでになされてきたはずです。品質工学を最近学び始めたのでは余りにも遅すぎると思います。
さて、これらを解決する方法ですが、こればかりは皆さんの意識改革を徹底して行う以外、その特効薬はありません。その意味でも先日ご案内させて頂きました、私どもの現状診断&ベンチマークを受診頂き、その結果でご報告致します先進企業群との、このあたりの比較結果を真摯に捉えて頂く事がまずは手始めと考えます。そしてその結果より、何が問題なのかを、それぞれでしっかり自問自答して貰うことで、意識改革への芽吹きを起こさせるしかないと考えております。