設計業務改革コンサルティングの内容と受けるメリットは何?(その1)

質問

貴社では手広く設計業務改革コンサルティングを行っているそうだが、その内容とメリットを教えてください

回答


私達が行う設計業務改革コンサルティング


 私達は、1994年に技術士事務所を開業して以来、都合数十社、100部署を越える製造業の、設計業務改革コンサルティングを行ってきた。CAD/CAM/CAE等のITツールや、ITシステムを核とした商品開発業務改革だ。
一般的に私達が行うコンサルティングの流れは、概ね次のような流れである。
最初の取りかかりは、1日〜2日をかけた予備ヒアリングである。コンサルティング対象になる事業の、事業概要を把握する事がその第一の目的になる。さらに改革推進チームや事業部トップが抱く、改革への思いや狙いの把握、この後に続く本ヒアリングの対象者の選定などをもその目的としている。そしてこの予備ヒアリングの結果を分析し、本ヒアリング対象者の条件、ヒアリングの割り振りを行うスケジュール案等を作成し、依頼先改革推進チームに調整を依頼する。さらに私達は、私達が持つ標準ヒアリングフォームを基に、依頼企業の実状に合わせた、本ヒアリングシートを作成する。
本ヒアリングはその対象規模によるが、4日〜8日間に渡るケースが殆どである。直接の設計者担当者や設計マネージャは当然の事として、商品開発に関わるあらゆる工程の技術者、さらには技術系のトップ、時には労働組合の委員長にまでそのヒアリング範囲を広げる。商品開発に関わるあらゆるスタッフに、同一開発案件に関して時系列的にその取り組み内容をトレースするのだ。それぞれが各場面で取った、具体的なアクション内容や、その行動の根拠になった考え方などを、逐一聞き出してゆく方式をとっている。細かいヒアリング方式や、どの様な聞き出し方を行うかは、私達独自のノウハウのため割愛させて頂くが、多方面からの広い視点で見た、対象商品開発部署の業務改革にとって、本当に必要な情報を、正確且つ的確に拾い出すことをその狙いとしている。
次のステップは、ヒアリング結果の整理分析、ベンチマーク、現状診断、改革案策定の工程にはいるのだが、これらの作業は、専ら私達の事務所でスタッフの手を借りながらの、"力仕事"とも言える作業になる。やはり具体的な分析方法などは割愛させて頂くが、ベンチマーク診断は、140を越える我が国勝ち組製造業から得られたベンチマークモデルを基にして、それらと比較対照評価を行う形で、最終的にはそれぞれの強み弱みを洗い出す診断だ。このベンチマーク診断については、次節でもう少し詳しく説明を行う。
その後に続く現状診断は、TQCにおける要因分析手法を拡大的に応用した、私達独自の手法に基づく分析作業になる。本ヒアリングで聞き取った、広い側面からの数々の錯綜する情報から、真実を洗い出す作業だ。当然この分析では、私達がこれまで手がけた数十社における、実際の取り組みで蓄積した、設計改革に取り組む上での数々のノウハウが活用される。特にここ4年ほどの間で実施した診断の精度は、極めて高い物があり、「良くこれだけ短い時間に、これだけ奥深く問題を拾い出した物だ!」などとのお褒めの言葉を、殆どの依頼企業から頂いている。
そして次のステップは、業務改革案の策定である。この場面でも、数多くの取り組みで蓄積したノウハウがフルに生かされる。数十もの成功体験が蓄積されてくると、応用できる類似パターンが必ず出てくるようになる。4年ほどまえから急激に診断精度を高めた理由もここにあるのだろう。
そして次は、診断コンサルティングとしては最後のステップである、診断結果の報告だ。私達が手がける診断では、この報告を複数回行うことが、最近通例になりつつある。まずは設計部署のマネージャクラス。さらには担当設計者達、そして事業部門や技術系のトップに対するご報告などだ。さらにはヒアリングで対応いただいた生産技術や製造部署のマネージャやスタッフに対しても行う場面も多い。これだけの回数ご報告を行うと、概ね二日がかりのご報告になる。
そしてこの報告を持って、診断コンサルティングは一段落するのだが、実は私達が本当に得意とするのは、これから先の取り組みである。実際に設計改革を、2カ年計画〜5カ年計画で取り組む取り組みへの支援作業はこれから始まるのである。これらの取り組みは、極めて難しい取り組みではあるが、それなりの成果が見え始めると、他に比べがたい醍醐味のある取り組みでもある。
そしてこの段階からは、コンサルティングを行う製造業により、取り組み方が千差万別になり、一義的に説明が難しい。さらに紙面の都合もあり、詳しくは割愛させて頂くが、私達が数多くの取り組みで蓄積した、私達が持つノウハウを、最も効果的に生かせる場面である。上でも述べたが、数十件のも成功体験が蓄積されてくると、あらゆる場面で応用できる事例に事欠かなくなってくる。どの様な問題が起きても、たいていの場合は類似状況を経験済みと言うことだ。このため、即座に最も効果的な解決方法を提示し、実行に移せると言うことである。
この様な事情もあり、最近手がけるケースでは、予想外にあっさりと、画期的な成果を、しかも具体的数字で挙げるパイロットプロジェクトが、立て続きに続いている。今週始めにも、某社で画期的成果の報告を受けてきたばかりである。