解析事例のデータベース化が巧く進まない、何か良い方法は無いか?

質問

CAE活用を促進するため、関係部署全てで行った解析結果のレポートを、一元的に見れるようじしたデータベースシステムを作成したのですが、なかなか結果が貯まってくれません。やはりレポートをまとめるといった事が面倒なようです。各個人の意識の持ち方が問題だと思うのですが、何か良いアイデアはありませんでしょうか?

回答


答は簡単です。難しいことを要求すると、この手のレポートは集まらなくなります。また設計者達が情報を共有化しよう、情報を共有化することが大切なことだと言う意識を持っていなくてはこのような情報は集まりません。
ですから取り組みには以下に示す2つの方向の取り組みが必要になるでしょう。
その一つ目はレポートを出しやすい環境をお膳立てすることです。
"解析のレポートを見るれるようにしたデータベースシステム"を構築する際に、データを登録を行う登録者達に、余計な手間を掛けさせない様な仕組み作りが肝要です。例えば、登録する報告書はMS Office類で作成してあること。画像データ、帳票類は報告書に張り込んであること。等の最低限のルールで、まずレポートを作る手間を軽減し、億劫さを排除してやることです。
この手のデータベース化を行う際、良くある失敗例として、その書式体裁を事細かに規定したり、用いる語句や表現方法までをとやかく要求している例があります。また登録する際に上長の承認を厳しく求めている例もあります。
ある面、組織運営上は重要なことではありますが、レポートを積極的に登録させる立場から見たときは好ましい事ではありません。要するにレポートと作成者達を億劫がらせてしまう大きな原因になるからです。まずは積極的なレポート登録の機運を盛り上げるためには、この億劫がらせる原因を排除してやることがポイントになります。
 しかしこの様な方法を選択した場合、レポートの質(文章表現力、説明力、技術的妥当性、等)の問題を抱えることになります。ただ野放しにレポートを集めただけだと、巨大なゴミの山を築きかねません。この部分の質を上げる役割は、このデータベース化を推進する皆さんに掛っており、登録されてくるレポートの内容を逐一チェックし、活用に耐えうるレポートに作り直す場合も含め、質を向上させるための手助けの作業が必要となります。(推進部署でレポートを修正し、登録者の確認を取る方法が最もスムーズです)
そして後は、イントラネットを使った検索閲覧用のホームページを用意しておき、全文検索、曖昧検索エンジンが使える状態に準備さえされておれば、たちどころに活用できる解析情報検索閲覧システムができあがります。
なおこの様な検索閲覧ホームページの例は、私の著書「コンカレント設計による設計の改革術」の中で紹介してありますので参照下さい。初歩的なHP作成技術さえあれば誰でも簡単に作成できますので。
もう一つは設計者達の意識改革です。これはある面難しい所もありますが、私どもにご依頼いただくセミナーなども含め、情報を共有化することが如何に重要かを根気よく理解させてゆくしかないでしょう。