利用頻度の少ない設計者にCAEを道具として有効活用させるには

質問

CAEを道具として設計者(事業部)に使って貰う所で苦労しております。
1週間かけてソフトの教育をしても使う期間がすくなくなってしまうと、又指導しなければならないこともありました。
積極的な解決手段は有りませんでしょうか?

回答

扱う製品形態によりますが、多くの設計部署の設計者は、解析技術を活用するタイミングがかなり断続的です。開発の初期段階で集中的に使ったあとは、試作段階でのトラブルシューティングまで、若しくは次の開発まで全く使わない等の状況は珍しくありません。またそのブランク期間が半年程度なら未だ良い方で、2年3年と言うこともあります。
当然忘れてしまったと言う問題が起こります。
 そしてこの問題を解決するために編み出した手段が、私の著書などでご紹介しております「中核設計技術者に対する集中教育中の試み」と「CAE何でも相談室」です。
「中核設計技術者に対する集中教育中の試み」は設計者に体でCAEを(操作技術も含め)覚えさせる所に大きな目的を持っております。徹底して体で覚えたことは、しばらく使わなくても直ぐに思い出します。私を例に引くと、コンサルなどの場面で見せられた解析結果などが腑に落ちないとき、その場で直接解析のやり直しを行う場合があります。
大抵は客先の若い方がオペレーションをするのですが、その方がオペレーションが不慣れだったりする場合、私の意図する処理が出来ない場合があります。そのようなときおもむろに私自身で操作をしてしまう場合があります。それも5、6年触っていなかったソフトをです。
 ただし、この教育は著書でも触れてありますが、全ての設計者を対象に行うのは無駄です。それなりの期間と費用をかけて行う教育ですので、それだけのコストをかけて価値のある設計者だけに絞り込む事が肝要かと思います。
 また、「CAE何でも相談室」はこの様な設計者達をサポートとする目的で設けます。設計モデルを解析モデルへ落とし込む相談に乗ったり、検証方法や検証モデル考案、解析結果の評価、解析結果の設計モデルへの反映などへの相談に乗ると共に、久々に使う設計者のオペレーション支援のその範疇です。場合によっては、オペレーターを(設計者が自在に使える)ある期間依頼のあった設計者に張り付ける場面も、現在私たちが行っている事例の中にはあります。