優秀な設計者を教育し理解させるポイント

質問 優秀な設計者を教育(3D CADやCAE)すること、及び実業務で使って行くことを理解させるポイント(アイデア)を知りたい
回答

私共の日常の仕事の中でも、ご質問の部分は最も難しい仕事の一つです。ご質問の、啓蒙活動は、設計初期段階でのCAE等によるシミュレーション技術を駆使した徹底的な仮想試作・試験の効果を理解させることであり、サイマル設計の重要さ及びその効果を理解させることでもあります。またそれらを担う人材の必要最少要件は何かを理解させることです。
ところが、特に、これまでシミュレーション先行での製品開発より、とにかく物を作って、実験からより高性能の製品へ結び付ける傾向が強い文化をもつ、自動車や、家電、情報機器の業種においては、かつて自分たちがシミュレーションに重きを置いて来なかったマネージャー層に、その重要さや威力を理解させることはかなり難しい所があります。
しかし私自身、1982年当時より、国内の大手自動車メーカー様には、設計に使うシミュレーション技術の重要さ、その効果を説き、その実証作業も数多くこなして参りました。昨今では、例えばフォードのC3P推進者の講演での発言に見られるよう、「米国に比べ日本のアナリシス(CAE等によるシミュレーションの意味)の文化は大きく進んでいる」等と、一部には設計段階からのシミュレーション活用の文化が根付き始めています。
貴社のグループでも、かつての解析専門家たちによる、設計に役に立たないCAEからの脱皮を宣言されてから、既に5年が経っているのではないでしょうか。このように取り巻く環境が変わって来ている昨今、かつては手順を踏んで足元からその効果の程を実証して行かなければならなかった状況から、場合によってはトップダウンで『役に立つことは他所で証明されている、つべこべ言わずに実業務で使え』と強引に押し進めることも可能な状況にはなって来ました。(この方法は私自身は好きではないのですが、各種分析の結果強引に進めたほうが無駄と、かえって無駄が無いだろうの判断の下、実際に強引に行って成功した製造業が2社ほどあります。)
私自身は、マネージャーたち自身にCAEなりの効果を、自分の又は身近な体験の中で実感させ、自発的に部下に対し活用を求めて行く、このような考え方に彼らを変えることが、最善の方法と考えております。そして実際に使い始めると、この技術を設計の道具として、本当に使いこなすことのできる人はどういう人かが自ずと解り、誰に対して教育すべきかも必然的に解って来ますので。
取り急ぎまとめておりますので、支離滅裂なお答えになっているのではないかと思いますが、貴社におかれましての設計部署の状況や、その文化などを把握したうえで無いと、なかなか貴社の状況に即したお答えが難しく、充分にお答えできませんことをおわび申し上げます。
"選別者教育の進め方"も参照下さい.