2次元と3次元の相互補完

質問 本当に全て3次元化すべきなのか? 2次元と3次元の適切なすみ分け(相互補完)があるのではないだろうか?
回答

それぞれの製造業の扱う製品、これまでのその企業における文化、置かれた立場などで必ずしも3次元を必要としない、却って製品開発部署の生産性向上を阻害する要因になる製造業もあります。また両者を割り切って活用することですみ分けることのできる製造業もあります。
実際に私共のお手伝いしている製造業の中には"当面3次元への移行は行わない"、"3次元は当面意匠評価や設備設計など限られた部分にしか用いない"などの結論を出し、3次元CADを核としない製品開発部署の生産性向上に取り組んでいる例もあります。3次元CADのメリットは私の著書やホームページなどの各所で語っているので細かくは語りませんが、以下の3点に集約できると思います。

ですから、この3点をあまり必要としない製造業が無理をしてまで3次元化に走る必要はない訳です。しかし複数企業に跨がる大掛かりなコンカレント設計の一翼を担わざるを得ない製造業に取っては、自社の状況では3次元CADが不要でも、その前工程からの設計データの取得、後工程へのデータの提供等に3次元CADデータを求められる可能性が高くなっ来ます。このため否応なくの3次元化態勢を取らざるを得ないケースもあるでしょう。 この場合2次元と3次元の使い分けの技が必要になってくる訳で、ここでいかなる工夫をし且つどうせ入れざるを得ない3次元CADを何処までとことん活用できるかが一つのポイントになって来るでしょう。
どこまでやるか、どのようにやるかの判断や仕組み作りはどうしてもケースバイケースにならざるを得ませんので、ここでは一般論的なまとめは行いません。それぞれ個別に対応させていただきます。

弊社ユーザーの皆様は私共が十分状況を把握してのお手伝いですから特に問題は無いと思いますが、ウエブ会員の皆様でこのような状況でお悩みの場合、まずは状況を具体的に示しメールでお問い合わせください。 その状況に合わせ最適と思われる判断・方法をお答え致しますので。